258. Phoria Adaptation：機械の中のゴースト

Phoria Adaptation: The Ghost in the Machine

Brodsky MC. J Binocul Vis Ocul Motil. 2020 Jan-Mar;70(1):1-10. doi: 10.1080/2576117X.2019.1706699. Epub 2020 Jan 27. PMID: 31986106.

重要性：Phoria adaptationは、両眼のアライメントに可塑性を与える中心的なトーヌス機構である。しかし、そのゆっくりとした消散は、必然的に臨床的な斜視の測定を不純なものにしてしまう。

目的：正常な両眼視制御におけるPhoria adaptationの役割を調べ、その神経基盤を理解し、一般的な斜視の臨床的測定をどのように変化させるかを探ること。

方法：両眼のアライメント維持におけるPhoria adaptationの役割と、臨床的斜視測定を変化させる役割の調査。

結果：Phoria adaptationは両眼アライメントのあらゆる側面に浸透している。正視の安定性、"潜伏 " phoria、間欠性外斜視におけるtenacious proximal fusion（粘り強い近見融像）、先天性上斜筋麻痺における大きな垂直融像幅、調節性内斜視におけるプリズムの "eating up"、高AC/A比または輻湊過多の患者における遠見偏位の小ささ、頭部傾斜時の生理的スキュー偏位の欠如、融像性開散幅、およびspread of comitanceを説明する。この両眼視制御システムは、おそらく下オリーブ核への登上線維を介した入力が関与する小脳学習メカニズムから生じており、登上線維は小脳プルキンエ細胞に強力なタイミング信号とエラー信号を与え、長期増強に類似した活動依存的修飾を生じさせる。

結論：Phoria adaptationは、ヒトの両眼視に慣性、可塑性、位置安定性を与える中枢神経統合体によって生成される。

※コメント
Phoria adaptationの役割についてです。