184. 小児内斜視における自発性外斜視と術後外斜視の特徴と危険因子

Characteristics and risk factors for spontaneous and postoperative exotropia in children with esotropia

Wen J, Li R, Li R, Li X, Zhu D. Front Pediatr. 2023 Jun 22;11:1186666. doi: 10.3389/fped.2023.1186666. PMID: 37425264; PMCID: PMC10325677.

背景:経過観察中に自発性または続発性外斜視(consecutive exotropia:CXT)を呈した患者を、偏位がない、または10⊿未満の内斜視を呈した別の患者群と比較することにより、CXT発症の危険因子を検討すること。

方法:このレトロスペクティブ・コホート研究では、自発性(spontaneous)CXT患者6人(A群)、術後(postoperative)CXT患者13人(B群)、外斜視なし患者39人(C群)を登録した。CXTの可能性のある危険因子をグループ間で評価した。群間に有意差があるかどうかを判定するために、Kruskal-Wallis H検定が用いられた。症例群間または症例群と対照群間の差を比較する単変量解析には、フィッシャーの正確検定またはマン・ホイットニーのU検定を用いた。多重比較にはBonferroni法を用いた。

結果:spontaneous CXT患者の追跡期間は、postoperative CXT患者および非CXT患者よりも有意に長かった(それぞれ、p = 0.035およびp < 0.001)。spontaneous CXT患者のアライメントとCXT発症までの間隔は、postoperative CXT患者よりわずかに長かったが、有意差はなかった(6.50年 vs 5.00年、p = 0.072)。垂直偏位はpostoperative CXTの高リスクと関連していた(p = 0.001)。ほとんどの[38人(97.44%)]非CXT患者は融像をしていた。逆に、融像機能の欠如(p < 0.001)および立体視(p = 0.029)は、CXTの高リスクと関連していた。

結論:垂直偏位と両眼視機能の低下は、CXTの高リスクと強く関連している。自然にCXTを発症した小児は、共同性内斜視から続発性外斜視を発症する前に、眼球のアライメントを長期的に維持しながら経過観察することが強く推奨される。

※コメント
両眼視機能が続発性外斜視のリスクファクターであるようです。術後外斜視のリスクとしては垂直偏位の存在とのこと。やはり、どれだけ両眼視を維持させられるかというところがkeyと見てとれます。


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