90. 間欠性外斜視術後1か月で過矯正がなく手術が成功した患者において,感覚融像,融像性輻湊幅,立体視の臨床所見は,術後の眼球配列の長期安定性(戻り)の予測因子とならない

Can Clinical Measures of Postoperative Binocular Function Predict the Long-Term Stability of Postoperative Alignment in Intermittent Exotropia?

Wu Y, Xu M, Zhang J, Zhou J, Wan M, Dai Z, Peng T, Min SH, Hou F, Zhou J, Yu X. J Ophthalmol. 2020 Jul 21;2020:7392165. doi: 10.1155/2020/7392165. PMID: 32774909; PMCID: PMC7391110.


目的:間欠性外斜視の小児において,術後の両眼視機能の臨床的測定が術後眼球配列の長期安定性を予測できるかどうか評価すること。

方法:間欠性外斜視手術後に過矯正(術後1か月の外斜偏位が10⊿未満)を伴わなかった39名の小児(中央値:7歳)を対象に後ろ向き研究を実施した。術前,術後1か月,6か月,最終フォローアップ(24か月以上)時に,偏位量と両眼視機能を測定した。術後の戻り(眼位の変化)と両眼視機能(感覚融像,融像性輻湊幅,立体視)の関係を検討した。

結果:手術成功率(内斜位/斜視5⊿以下~外斜位/斜視10⊿以下)は,術後6か月で76.9%であり,最終来院時(平均37か月)で53.8%に低下した。遠見の平均戻り量は,術後1か月目から最終来院時で7.7±9.2⊿(p<0.001)であった。遠見立体視,中心融像,融像性輻湊幅は,術後有意に改善した(p < 0.05)。しかし,各フォローアップ期間の開始時に測定したそれら両眼視機能と術後戻りとの間に,有意な相関は認められなかった(すべてp > 0.13)。

結論:この結果は,術後1か月の時点で過矯正がなく手術が成功した患者において,感覚融像,融像性輻湊幅,立体視の臨床指標は,術後の眼球配列の長期安定性の強固な予測因子とならないことを示唆している。

※コメント
間欠性外斜視術後の融像機能,輻湊幅,遠見立体視の結果で,戻りの程度を評価することはできないとのことです。

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