162. 成人発症の開散不全型内斜視におけるpreoperative sensory monofixationと手術失敗の関連性
Association of sensory monofixation with surgical failure in adult-onset divergence insufficiency-type esotropia
Dersch AM, Leske DA, Hatt SR, Holmes JM. J AAPOS. 2023 Jun 13:S1091-8531(23)00118-0. doi: 10.1016/j.jaapos.2023.04.012. Epub ahead of print. PMID: 37321344.
我々は、成人発症の開散不全型内斜視におけるsensory monofixationの頻度と、術前のsensory monofixationが手術失敗と関連するかどうかを調査した。
両眼内直筋後転術を受けた、近見より遠見の内斜視が大きい25人の患者を対象とした。近見立体視は、術前と術後8週間にRandot Preschool testにより測定された。小児の代償不全型斜視の混入を最小限に抑えるため、最高矯正視力が両眼とも0.3 logMARより悪い患者、または術前に遠見正面視の複視が「ほとんど」または「全く」ない患者は除外された。Sensory monofixationは200秒以上の立体視と定義し、bifixation(* bifoveal fixation)は40または60秒とした。手術の失敗は、遠見または近見で4Δを超えるesodeviationまたは10Δを超えるexodeviationと定義し、術後8週間(範囲:6~17週間)に評価された。術前monofixationと術前bifixation患者のmonofixationの頻度と手術失敗率を算出した。
術前のsensory monofixationは開散不全型の内斜視でよく見られた(25人中16人[64%]、95%CI、45%-83%)。術前sensory monofixation患者で手術に失敗した者はいなかったため、手術の失敗と術前sensory monofixationとの関連性は否定された。
※コメント
なぜmonofixationの患者で手術成績が悪いと仮説を立てたのか?まずそこが疑問ですが…
本文中での仮説を立てた理由が稀だからだと言うことの様です。
またsensory monofixationとの文言で立体視の程度だけで分類をしていることから、誤った分類をしている可能性も否めません。
また術後8週後で評価するのも適切かどうかは議論の余地があると思います。