196. ソフトプリズムコンタクトレンズの複視矯正への応用

Application of Soft Directional Prismatic Contact Lenses to Correct Diplopia

Parolini B, Penzani R, Pascotto P. J Pediatr Ophthalmol Strabismus. 2023 Jul-Aug;60(4):248-252. doi: 10.3928/01913913-20220727-01. Epub 2022 Sep 14. PMID: 36102266.


目的:8⊿以内の小角度斜視による複視を、ソフトなプリズムコンタクトレンズを装用することで矯正し、患者にとってより快適で質の高い視覚を得られるかどうかを検証すること。

方法:8⊿以内の垂直 and/or 水平複視と小角度斜視の患者を登録し、前向き研究を行った。患者は、矯正視力、屈折検査、近見および遠見カバーテスト、眼球運動、prismatic fit test、角膜トポグラフィー、涙液評価、両眼視テスト、頭位評価、網膜撮影、OCTによる後眼部および前眼部検査を受けた。この研究のために、Benz G5X素材のカスタムソフトコンタクトレンズが設計・開発された。すべての患者はまず、斜視と屈折の程度に応じてプリズム眼鏡で矯正された。次に、斜視と屈折異常を同時に適切に矯正した特注のプリズムコンタクトレンズを装用した。そして、プリズムコンタクトレンズとプリズムメガネのどちらが快適で、見え方の質が高いかを答えてもらった。

結果:8⊿以下の斜視による複視の異なる原因を持つ8人の患者が登録された。ソフトプリズムコンタクトレンズは、100%の患者で複視を解消することができた。すべての患者が、プリズムコンタクトレンズを使用することで、より快適で質の高い視力が得られたと報告した。

結論:この研究は、8⊿以内の斜視から生じる複視は、ソフトプリズムコンタクトレンズを使用することで矯正でき、歪みのないより質の高い視力を得られることを実証した。

※コメント
とうとうプリズム矯正のできるコンタクトレンズが登場してきました。このレンズが市場に流通するようになれば、複視解消における非常に有効な選択肢の一つとなるのは間違いなさそうです。

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