202. 近視を阻止する屋外情景教室: デザインとベースラインの特徴

Outdoor Scene Classrooms to Arrest Myopia: Design and Baseline Characteristics

Yi X, Wen L, Gong Y, Zhe Y, Luo Z, Pan W, Li X, Flitcroft DI, Yang Z, Lan W. Optom Vis Sci. 2023 Jul 27. doi: 10.1097/OPX.0000000000002046. Epub ahead of print. PMID: 37499167.


意義:環境の空間周波数スペクトルは近視発症の危険因子として提唱されてきた。しかし、この仮説はヒトで直接検証されたことはまだない。

目的:本研究の目的は、教室の空間的特性を屋外環境と類似させた教室が小児近視に与える影響を調査すること。本稿では、この戦略のデザイン、ベースライン特性、受容可能性について述べる。

方法:教室には、屋外環境に匹敵する空間周波数スペクトルを持つ森や空の情景が描かれた特注の壁紙が設置された(すなわち、屋外情景教室)。この戦略の受容性はアンケートによって評価された。有効性を評価するためのアウトカムは、近視の累積割合、調節麻痺下等価球面屈折の変化、および眼軸長である。

結果:520人の生徒からなる10クラスが、屋外教室と従来の教室に無作為に振り分けられた。2群間で屈折状態に差はなかった(近視: 正視: 遠視:16.3%:49.4%:34.2%、伝統教室;18.3%:49.0%:32.7%、P = 0.83)。従来の教室と比較して、屋外情景教室は教師88.9%、生徒87.5%が楽しいと感じ、教師22.2%、生徒75.3%が集中力が高まったと回答し、教師77.8%、生徒15.2%が変化なしと回答した。また、教師44.4%、生徒76.0%が屋外風景教室で学習効率が上がったと回答し、教師55.6%、生徒18.3%が変わらないと回答した。

結論:屋外風景教室は教師と生徒にとって魅力的である。本研究の結果は、中国の子どもたちにおけるこの戦略の有効性を示唆するものである。

※コメント
壁に屋外の絵を描いても屈折状態に差は見られなかったとのことです。
どのくらい経過を見た結果なのかは本文を見てみないとわかりませんが、絵を描いた方が気分が上がり学習効率がよくなった人もいたとのこと。結論が急に心情的になったのには驚きです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?