356. 小児の屈折異常と眼の大きさおよび形状: MRIによる研究
Eye Size and Shape in Relation to Refractive Error in Children: A Magnetic Resonance Imaging Study
Kneepkens SCM, Marstal K, Polling JR, Jaddoe VWV, Vernooij MW, Poot DHJ, Klaver CCW, Tideman JWL. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2023 Dec 1;64(15):41. doi: 10.1167/iovs.64.15.41. PMID: 38153751.
目的:本研究の目的は、小児におけるMRIおよび光学的生体測定法(optical biometry)で測定した眼球の形状および容積と、等価球面値(spherical equivalent:SE)との関連を明らかにすること。
方法:この研究では、集団ベースの出生コホート研究から、光学的生体測定(IOL-master 500)とT2強調MRI検査(高さ、幅、体積)を受けた3637人の10歳児を対象とした。調節麻痺下屈折は自動屈折検査により決定された。眼球のMRI画像は、アトラス登録とボクセル分類を組み合わせた自動アルゴリズムを用いて分割した。光学的生体計測、人体計測、MRI計測、およびSE間の関連をピアソン相関を用いて検定した。屈折異常群間の差はANOVAを用いて検定した。
結果:後部セグメンテーションの平均体積は6350(±680)mm3であった。近視眼(SE-0.5D以上)は、正視や遠視眼(SE+2.0D以上)に比べ、後部体積がそれぞれ470mm3(P<0.001)および970mm3(P<0.001)大きかった。大多数の眼(77.1%)は偏円型であったが、近視眼の47.4%は扁長(突出)型であったのに対し、遠視眼では3.9%であった。SEとMRI由来の後部セグメンテーションとの相関(r -0.51、P < 0.001)は、高さ(r -0.30、P < 0.001)や幅(r -0.10、P < 0.001)との相関よりも強かった。
結論:この研究では、10歳時の眼球の形状は、近視のある眼球でも主に偏円型であった。すべてのMRI測定値のうち、後部セグメンテーションの長さがSEと最も関連していた。眼球の形状が将来の近視の発症や進行を予測するかどうかは、縦断的研究で調べる必要がある。
※コメント
眼球形状がその後の近視状態を予測できるか否か、とても興味深い内容だと思います。ただし、臨床的には、MRIでなく別の方法での解析を検討する必要があることは避けられないですね。