215. 弱視治療が成功した不同視弱視における抑制暗点と立体視の関係

Relationship Between Suppression Scotomas and Stereoacuity in Anisometropic Amblyopia With Successfully Treated Visual Acuity

Hozumi K, Yagasaki T, Yokoyama Y, Yagasaki A, Haga Y, Eboshita R. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2023 Aug 1;64(11):16. doi: 10.1167/iovs.64.11.16. PMID: 37561448.


目的:本研究の目的は、視力治療に成功した不同視弱視の抑制暗点の大きさ、立体視、4プリズムベースアウトテスト(4ΔBOT)の結果の関係を調べること。

方法:斜視を伴わない視力治療が成功した不同視弱視103例を対象とした。立体視力はRandot Stereotestを用いて測定した。抑制暗点の大きさは、新しい装置である偏光4ドット(polarized four dot:P4D)テストを用いて測定した。これはWorth 4 dot test(W4D)を改良したものである。患者は4ΔBOTの結果に基づいて3群に分けられた:normal反応群(A群=29例)、subnormal反応群(B群=48例)、abnormal反応群(C群=26例)。抑制暗点の水平径と、20秒をbaseとする対数値による立体視を3群間で比較した。

結果:P4D検査時の平均年齢は8.4±2.1歳であった。抑制暗点の平均水平径は、A群、B群、C群でそれぞれ0.35±0.79Δ、2.01±0.82Δ、5.50±2.72Δであり、有意差が認められた(A群対B群:P<0.0001、A群対C群:P<0.0001、B群対C群:P<0.0001;1元配置分散分析)。平均対数立体視は、A群、B群、C群でそれぞれ1.07(24.95″)、1.22(38.84″)、1.47(82.79″)であり、群間で有意差が認められた(A群対B群:P<0.0001、A群対C群:P<0.0001、B群対C群:P<0.0001;1元配置分散分析)。立体視と抑制暗点の水平径には強い相関があった(r = 0.732, P < 0.0001)。

結論:P4Dを用いて測定した抑制暗点の大きさは、立体視および4ΔBOTの結果と有意に相関していた。

※コメント
不同視弱視の抑制暗点の程度によって立体視は異なってくると思っています。
微小斜視との鑑別で4ΔBase out testの解釈が混乱をまねいてると思いますが、この報告の結果が正しい解釈であると個人的には強く思います。

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