279. 水平斜視または正視の子供の眼球回旋

Ocular Torsion in Children with Horizontal Strabismus or Orthophoria

Bdeer N, Hadar N, Raveh D, Obied B, Richard S, Zahavi A, Goldenberg-Cohen N. Children (Basel). 2023 Sep 11;10(9):1536. doi: 10.3390/children10091536. PMID: 37761497; PMCID: PMC10527918.


目的:水平斜視または正位の小児における眼球回旋の発生率を報告すること。

方法:後方視的研究デザインを用いた。19名の小児(うち女児7名、4~16歳)を対象とした。全例が斜視の検査を受け、12例が外科手術の予定であった。すべての参加者は、来院時に両眼のデジタル眼底写真(DRSplus、Padova、イタリア)を持っており、12人中5人は斜視手術後の眼底写真も持っていた。年齢、人口統計学的データ、斜視のタイプ、臨床症状および徴候、視力検査、自覚、他覚的な回旋、下斜筋過動、Vパターンについて、患者ファイルをレビューした。眼底写真は、ImageJソフトウェア[ImageJ 1.54f, National Institute of Health, USA]で回旋を解析した。眼球回旋については、disc-foveal angleを算出した。disc-foveal angleは、眼底写真を用いて、乳頭からfoveaまでを通る直線と、乳頭からfoveaまでを通る別の水平線とのなす角度と定義した。

結果:19人の小児のうち、18人は水平斜視であった。9人は外斜視、9人は内斜視であった。1人は回旋斜視を伴う正位であった。3人を除くすべての子供に下斜筋過動が認められ、10人にVパターンが認められた。視力は4人の子供の4眼で低下していた(6/12以下)。眼球回旋の症状は認められなかった。外回旋は19人中3人で臨床的に認められたが、手術前の眼底写真では全例で測定可能であり、右眼で平均8.7度±8.5度、左眼で平均8.5度±9.7度であった。両眼の平均回旋は19.7±10.1度で、手術を受けて術後の眼底写真が記録された小児では平均15.3±7.9度まで改善した。

結論:眼底写真では、臨床検査よりも有意に高い割合で回旋が検出された。特に、下斜筋過動は主に回旋と関連していた。本研究により、小児は無症状であることが多いため、臨床検査では回旋は過小診断されるが、容易に入手できる眼底写真により、回旋の発見が向上することが示された。

※コメント
眼底写真で他覚的な回旋を確認できるので、ぜひ皆様撮りましょうね、という内容です。

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