153. 斜視患者におけるAC/A比測定のFar-gradient法に及ぼす調節ラグの影響

Influence of accommodative lag upon the far-gradient measurement of accommodative convergence to accommodation ratio in strabismic patients

Miyata M, Hasebe S, Ohtsuki H. Jpn J Ophthalmol. 2006 Sep-Oct;50(5):438-442. doi: 10.1007/s10384-006-0353-x. PMID: 17013696.


目的:斜視患者において、far-gradient法で測定したAC/A比(accommodative convergence to accommodation ratio)に対する調節ラグ(lag of accommodation:LOA)の影響を明らかにすること。

方法:異なるタイプの斜視患者63名(年齢:7~34歳、斜視角:-60~+40⊿、屈折異常:-7.33~+6.63D)において、-3.00D付加時と非使用時に遠見視標を見させAC/A比を測定した。同じレンズのLOAは、オープンビュータイプのオートレフラクトメーターで測定した。stimulus AC/A比と、個別に測定したLOAで調整したAC/A比(調整AC/A比)を比較した。

結果: 平均調整AC/A比はstimulus AC/A比より41%大きかった。LOAは患者によって大きく異なり(0.13~2.14D)、近視患者や若い患者で大きなLOAが出現する傾向があった。

結論:従来のfar-gradient法で得られるAC/A比は、LOAによって大きく偏るため、必ずしも調節系と輻湊制御系の実際の関係を表しているとはいえない。

※コメント
調節ラグが影響し、far-gradient法の値が過少評価されている可能性があるとのこと。実際には遠視患者に使用する割合の方が高いと思われるので、その点は安心です。-2.00D加入だとどのような結果になるのか興味があります。

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