300. 二重焦点近視コントロールコンタクトレンズの6年間の累積治療効果と治療効果

Six-year cumulative treatment effect and treatment efficacy of a dual focus myopia control contact lens

Chamberlain P, Hammond DS, Arumugam B, Bradley A. Ophthalmic Physiol Opt. 2023 Oct 27. doi: 10.1111/opo.13240. Epub ahead of print. PMID: 37897105.


目的:二重焦点近視コントロールコンタクトレンズの6年間の臨床試験中に観察された眼軸伸長の蓄積を利用して、治療効果を評価するためのさまざまなアプローチを検討すること。

方法:二重焦点近視コントロールレンズ(MiSight 1day、クーパービジョン)の6年間の臨床試験に参加した170眼の眼軸長測定値を分析した。治療群は、6年間の治療を受けた群と、3年間の単焦点近視コントロールレンズ装用後に3年間の治療を受けた群(初期対照群)から構成された。有効性は、治療中に蓄積された眼球の成長を、未治療の近視眼および正視眼で予想される成長と比較することで評価した。眼軸伸長を遅らせる治療の影響は、治療した眼の基準成長に到達するのに必要な時間の増加とサバイバー分析のアプローチを比較することによって定量化した。

結果:未治療眼の予測累積成長量と比較すると、6年間の治療により0.52mm成長量が減少し、3年後に開始した3年間の治療によって0.19mm成長量が減少した。治療した近視眼と治療していない近視眼の累積成長差は、治療していない近視眼の成長差の67%から52%、治療していない近視眼と年齢をマッチさせた正視眼の予測成長差の112%から86%であった。治療した眼は未治療の眼に比べ、最終的な蓄積成長に達するまでに4年近くかかった。治療により、基準成長に達するまでの時間は2.3-2.7倍に増加した。

結論:年齢をマッチさせた近視眼と未治療の正視眼の推定成長から、6年間で0.52mmの眼軸伸長の累積遅延の証拠が得られた。二重焦点近視コントロールを6年間することで、最終的な成長レベルに達するまでの期間が4年近く遅れた。

※コメント
Key points
・対照群がない場合、事前の近視進行、正視眼の成長、進行時間の遅延分析法を用いて、近視抑制効果を推定することができる。
・6年間の治療期間中、二重焦点ソフトコンタクトレンズは、眼の成長を無治療の人の半分以下に遅らせた。
・近視の人が8~12歳の間に二重焦点ソフトコンタクトレンズを装用し始めると、1~3年以内に0.3mm以上の眼の成長が起こる確率は95%減少する。

結論抜粋-
①二重焦点MiSight 1day近視コントロールコンタクトレンズを装用した眼は、同時コントロールが可能であった最初の3年間で、0.37mm近視の進行が遅くなった。
②未治療の近視眼のバーチャルコントロールを使用すると、治療6年後に0.52mmの累積治療効果が明らかになった。
③どの研究年においても、治療を受けた眼は一般的に、年齢をマッチさせた正視眼に期待される速度で成長した。
④治療効果の代替指標として、基準となる成長に達するまでの時間を採用することで、二重焦点治療は成長を最大47か月遅らせ、生存分析では、二重焦点レンズによる3年間の治療で0.3mm成長する確率が95%減少することが示された。


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