216. 学童における不同視の危険因子:集団ベース 縦断的コホート研究

Risk factors for anisometropia in schoolchildren: A population-based, longitudinal cohort study

Lee CW, Chiang CC, Tsai DC, Tsai CY, Liou YM. Ophthalmic Physiol Opt. 2023 Aug 11. doi: 10.1111/opo.13215. Epub ahead of print. PMID: 37565301.


目的:若年学童における不同視の発生率と危険因子を調査すること。

方法:人口ベースのコホート研究。台北近視調査研究が台北市内の小学校で実施された。2年間にわたり、年2回の総合眼科検診を受ける児童を募集した。調節麻痺下オートレフラクションと細隙灯検査が年2回行われた。人口統計学的情報、親の既往歴、生活習慣、近業活動に関するデータは、初診時と最終診察時に親が作成した質問票を用いて収集した。不同視差は、等価球面屈折誤差(spherical equivalent:SE)が1D以上の差と定義された。

結果:合計7035人の8歳児が2年間の追跡調査を受けた。不同視の年間平均発生率は3.8%であった。多変量ロジスティック回帰分析の結果、ベースラインのSE(オッズ比[OR]:0.87 95%信頼区間[CI]:0.80-0.95)と女性(OR:1.24、95%信頼区間[CI]:1.02-1.50)が不同視の発症と有意に関連していた。生活習慣の危険因子のうち、平日の放課後の屋外活動が1日1時間未満費(OR:1.38、95%CI:1.08-1.76)および30cm未満の距離で近見作業を行うこと(OR:1.33、95%CI:1.08-1.64)は、不同視発症リスクの増加と有意に関連していた。重回帰分析では、SEの眼間差は、30cm未満の距離で近見作業をしている小児で有意に増加した(調整β=0.03;p=0.02)。

結論:本研究は、台湾の学童における不同視の年間発生率を示した。屋外で過ごす時間が短く、近見作業中の視線から対象物までの距離が短いほど、不同視の発症リスクが高くなった。

※コメント
ピックアップした影響因子の分析から今回の結果が得られたと思いますが、野外時間と近見視時の距離となると、近視進行や発症の危険因子となんら変わりがないです。「不同視が発症する」となるならば、何かしら元々の因子を持っているか(内的要因)、もしくは何か他の外的要因が関与しているのか。そう考えざるを得ない内容だなと思いました。

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