140. 間欠性外斜視において,眼球の回旋は決して少なくない頻度で見られ,回旋量は間欠性外斜視の重症度と有意な関係を示した

Ocular torsion among patients with intermittent exotropia: relationships with disease severity factors

Shin KH, Lee HJ, Lim HT. Am J Ophthalmol. 2013 Jan;155(1):177-82. doi: 10.1016/j.ajo.2012.07.011. Epub 2012 Sep 27. PMID: 23022165.


目的:間欠性外斜視患者における眼球回旋の分布を調査し,回旋と間欠性外斜視の重症度の関連性を明らかにすること。

デザイン:300人の小児600眼を対象とした前向き比較研究。

方法:4歳から15歳までの間欠性外斜視150名と,年齢をマッチさせた斜視のない正常対照者150名が前向きに登録された。各患者の両眼からデジタル無散瞳眼底写真から,デジタル画像ソフトウェアを用いてdisc-foveal angleを算出した。また,すべての写真は,正常,外回旋,内回旋のいずれかに分類された。正常対照者群と間欠的外斜視群の間で,disc-foveal angleの大きさを比較した。disc-foveal angleと,外斜視角,Titmusでの立体視,斜視の期間などの重症度因子との関連性を分析した。

結果:間欠性外斜視群の平均disc-foveal angleは正常対照群より有意に大きかった(それぞれ6.13度, 5.13度, P < .01)。眼球回旋(外回旋または内回旋)は,間欠性外斜視群では45人(30%)に認められたが,正常対照群では16人(11%)にしか認められなかった(P < .01)。disc-foveal angleの大きさは,外斜視角および立体視の程度と有意な正の相関を示した(それぞれr = 0.45, P < .01, r = 0.51, P < .01, )。

結論:間欠性外斜視において,眼球の回旋は決して少なくない頻度で発見された。さらに,回旋量は間欠性外斜視の重症度と有意な関係を示した。眼球回旋の評価は,間欠性外斜視患者の融像を評価するための補助的なツールとして使用することができるだろう。

※コメント
・中心窩とdiscの中心が水平線上にある場合を正常と定義し,外・内回旋はそこからの基準
・下斜筋過動等の眼球運動の過動・遅動がある場合は除外

回旋が大きいほど,斜視角が大きく,立体視が不良とのことから,回旋と重症度が関連しているとのこと。
両眼融像の欠陥が回旋融像を破壊し,眼球をより外回旋させるとの報告おもあることから,回旋と融像能力を結び付けて考案をしています。この研究では融像能力やコントロールの状態を評価していませんので,そのあたりとの関連性が明らかになれば面白いですね。


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