3. 9歳以下、軽度近視の小児に対して低濃度アトロピンをすると年間の進行抑制の反応が良い
Characteristics of responders to atropine 0.01% as treatment in Asian myopic children
Lee LC, Hsieh MW, Chen YH, Chen PL, Chien KH. Sci Rep. 2022 May 5;12(1):7380. doi: 10.1038/s41598-022-10978-3. PMID: 35513480; PMCID: PMC9072680.
近年、低濃度アトロピン(0.01%)は、満足のいく効果と最小限の副作用で近視進行を抑制することができると注目されている。しかし、0.01%アトロピンの反応性に関する研究は限られている。このレトロスペクティブな観察コホート研究は、アジアの小児における0.01%アトロピンに反応する対象の特性を明らかにすることを目的とした。0.01%アトロピンを投与された140人の小児(3~15歳)を対象に、年間の球面等価変化(SE)に影響を与える要因を分析した。平均年齢は9.13±2.6歳、ベースラインの平均SEは-1.56±1.52D、年間の平均SE変化は-0.52±0.49Dだった。年間近視進行が0.5D未満という基準で、0.01%アトロピンの近視コントロール反応率(146/249)は58.63%であった。ベースラインの SE が-1.5D、ベースラインの年齢が 9 歳というカットオフポイントに基づいて、被験者は 4 つのサブグループに層別化された。反応率は、近視が最も低いサブグループで最も高くなり、有意な差が見られた。この結果から、0.01%アトロピン療法では近視度数-1.5Dより良好(-1.50Dより弱)で9歳以下の小児が最も近視制御を成功させる可能性が高いことが示された。
※コメント
9歳以下、軽度近視の小児に対して低濃度アトロピンをすると年間の進行抑制の反応が良い、という結論です。個人的にはなぜ軽度の時にやった方が効くのかは気になります。(元々近視が進みにくかったbiasがあるのでは?と思ってしまいますが…)
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