226. 眼鏡レンズにおける光学中心の偏心によるプリズム効果の影響

Influence of prismatic effect due to decentration of optical center in ophthalmic lens

Madrolu VSK, Male SR, Bhardwaj R, Theagarayan B. Health Sci Rep. 2023 Aug 1;6(8):e1472. doi: 10.1002/hsr2.1472. PMID: 37538961; PMCID: PMC10394263.


背景と目的:不適切な眼鏡フレームによるプリズム効果は、眼鏡装用者のほとんどに見られる一般的な問題であり、この不適切なフィッティングは、レンズの光学中心がずれていることが原因であることが多く、この誤差が眼精疲労症状や複視の原因となる。しかし、これらのエラーは、認識不足のために発展途上国で最も一般的であるため、標準化された規制が必要である。本研究は、眼鏡レンズの光学中心の偏芯によって誘発されるプリズム効果の量を推定することを目的とした。

方法:平均年齢25±5歳の単焦点眼鏡装用者(N=120)を対象に定量的横断研究を行った。瞳孔測定評価を行い、眼鏡レンズ上の瞳孔中心をマークした。レンズ測定評価は、眼鏡レンズの視標中心をマークするために行われた。視標中心が瞳孔中心と一致しているかどうかを比較した。客観的評価はプレンティスの法則(P = cF)によって行われ、自覚的な症状は視覚快適性質問票によって評価された。

結果:このサンプルでは、単焦点眼鏡を使用している人の約57%が光学中心を通して見ておらず、-0.7~0.6⊿のプリズム効果を経験しており、平均偏心は3.5mmであった。ずれがある人の40%は、眼精疲労症状と視覚不快感を示した。

結論:オプトメトリストは、新しく新調された眼鏡を患者に渡す前に、調整の質と視力性能をチェックすべきである。

※コメント
インドからの報告。対象者の詳細は不明ですが、本文から、ハイデラバード大学に関連している方々かなと推測します。
今回の報告では、プリズム効果がある程度出現していることはわかりましたが、眼精疲労や視覚的な不快感はプリズム偏心が直接的な原因であるのか不明(度数諸々の影響については論じられていない)だと思いますので、やや飛躍した解釈にならないように注意する必要があると思います。

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