223. Duane症候群の臨床像とMRIの特徴

Clinical profile and magnetic resonance imaging characteristics of Duane retraction syndrome

Suma U, Ferzana M, Babitha V, Jyothi P. Oman J Ophthalmol. 2022 Jun 29;15(2):147-152. doi: 10.4103/ojo.ojo_133_21. PMID: 35937749; PMCID: PMC9351951.


目的:Duane retraction syndrome(DRS)の臨床像と脳の磁気共鳴画像(magnetic resonance imaging:MRI)所見を記述し、臨床像とMRIの特徴との間に関連があるかどうかを明らかにすること。

材料と方法:本研究は、南インドの3次医療センターで行われた横断研究である。DRS患者54例を集め、臨床的特徴を分析した。定常撮影を用いた高速撮像(fast imaging employing steady-state acquisition:FIESTA)による脳のMRIを41例に実施し、第6神経のcisternal segmentについて検討した。放射線学的特徴と臨床的特徴との関連を明らかにするために統計解析を行った。

結果:1型DRSが圧倒的に多く、次いで3型DRS、2型DRSであった。9.3%が両眼性で、11.1%が家族性であった。Orthotropiaが最も多く、次いで内斜視、外斜視であった。脳のMRI検査では、1型DRSの82%、3型片眼性DRSの75%において、患側第6神経のcisternal部分が欠如していた。片眼性DRS患者の19.5%では両側の外転神経が可視化された。MRIによる脳所見と臨床的特徴との間に統計学的に有意な関連はみられなかった。

結論:FIESTAを用いたMRI脳所見では、1型および3型DRSのほとんどの症例で第6神経が欠如または低形成であった。しかし、約20%のDRS症例では、第6神経のcisternal部分が存在する可能性がある。したがって、臨床医はMRIの脳所見に基づいてDRSを除外する場合には慎重でなければならない。第6神経の形成不全はMRI所見では最も頻度の高いものであるが、それが唯一の病因とは限らない。

※コメント
Duane症候群の1, 3型は外転神経の欠如、低形成があるようですが、全例ではないとのこと。そして、そのMRI所見と臨床的な特徴には関連がなかったことから、外来において外転神経の状態把握はできないようです。

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