85. 近視の小児は,正視の小児と比較して,長時間の近見作業に対して調節系に不安定な傾向を示す。調節微動の変動は,若年性近視の持続的な近見作業における疲労の客観的な指標となる可能性がある

Variability of Accommodative Microfluctuations in Myopic and Emmetropic Juveniles during Sustained near Work

Yu H, Zeng J, Li Z, Hu Y, Cui D, Zhao W, Zhao F, Yang X. Int J Environ Res Public Health. 2022 Jun 9;19(12):7066. doi: 10.3390/ijerph19127066. PMID: 35742313; PMCID: PMC9222619.


近業は近視発症の潜在的な危険因子と考えられてきたが十分なエビデンスはない。中国の青少年は,特にCOVID-19の流行期に,勉強や娯楽目的などの近業でデジタル機器を使用します。本研究では,近視と遠視の小児被験者の間で,長時間の近業が調節反応,調節微動(AMF),瞳孔径に与える影響を調査した。60人の小児(近視30人,正視30人)が研究に参加した。参加者は,33.3cmの距離で40分間,タブレットPCでビデオゲームをプレイするよう指示された。調節反応と瞳孔径は開放型赤外線屈折計を用いて高速モードで測定された。パラメータは10分ごとに1回測定し,変動傾向について一元配置反復測定ANOVAで分析した。年齢と性別に関して,正視群と近視群の間に有意差はなかった(p>0.05)。近視の低周波成分(LFC)は,時間の経過とともに徐々に増加し,30分でピークに達し,その後減少した(p = 0.043)。近視の高周波成分(HFC)も30分でピークに達した(p = 0.036)。しかし,各時点における正視群のLFC(p = 0.171),HFC(p = 0.278)に有意差はなかった。調節反応と瞳孔径の平均値と標準偏差は正視・近視群ともに有意差はなかった。近視の小児は,正視の小児と比較して,ある時点から長時間の近見作業に対して調節系に不安定な傾向を示す。調節微動の変動は,若年性近視の持続的な近見作業における疲労の高感度かつ客観的な指標となる可能性がある。

※コメント
近業30分後に成分のピークがくるとのことですが,なぜ「30分」なのかという疑問も残りますが,やはり休み休みするのが良いようです。そう考えると20-20-20ルールは悪くないのかなとも思います。

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