62. consecutive exotropiaは,DVDの合併,1年あたりの遠視の減少が速い,比較的短期間で内斜偏位が矯正された眼に認められることがある

Risk factors for spontaneous consecutive exotropia in children with refractive and nonrefractive accommodative esotropia

Shin DH, Choi CY, Han SY. Jpn J Ophthalmol. 2020 May;64(3):292-297. doi: 10.1007/s10384-020-00724-5. Epub 2020 Feb 27. PMID: 32108919.

目的:屈折性・非屈折性調節性内斜視(AET)患者において,自然発症の連続した外斜視(spontaneous consecutive exotropia:ScXT)の危険因子を検討すること。

研究デザイン:後向き研究

方法:2000年1月から2016年12月までにAETと診断された患者を検討した。遠視を十分に矯正した後にScXTを発症した患者を外斜群(n=51)とし,外斜偏位を示さず眼鏡で十分にコントロールされていた患者を対照群(n=117)と定義した。調節麻痺下屈折の変化,初診時の平均偏位量,内斜偏位を初めて矯正するまでの期間,弱視の有無,それに伴う斜視の有無を両群間で比較した。

結果:初診から8Δ以下の内斜偏位を矯正するまでの平均期間は外斜群で短かった(P = 0.008)。また外斜群では交代性上斜位(DVD)が多く(P = 0.015),1年あたりの遠視の減少が早かった(遠視が多い眼:P = 0.006; 遠視眼が少ない眼:P = 0.034)。外斜偏位は遠視矯正後42.31±41.13ヶ月で認められた。初診時の偏位量,弱視の有無に差はなかった。

結論:ScXTは,DVDの合併,1年あたりの遠視の減少が速い,比較的短期間で内斜偏位が矯正された眼に認められることがある。長期的に眼位が良好な患者でも認められることがあるため,長期的な経過観察が望まれる。

※コメント
調節性内斜視の経過観察中にexoに移行する症例が散見されます。risk factorを把握した上で実臨床でも確認してみたいと思いました。あとは,何かしら防ぐ術はないのか調べてみたいと思います。

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