200. 良好な視力を有する強度近視性斜視患者における横山法術後の立体視の回復について

Recovery of stereoacuity after Yokoyama procedure in patients with highly myopic strabismus with good vision

Shimizu T, Hikoya A, Komori M, Suzuki H, Hotta Y, Sato M. Am J Ophthalmol Case Rep. 2023 Jul 7;32:101892. doi: 10.1016/j.ajoc.2023.101892. PMID: 37484135; PMCID: PMC10362249.


目的:強度近視性斜視で視力が良好な患者における両眼横山法手術後の立体視について報告すること。

Observations:34歳から81歳の最高矯正視力20/25以上の患者5名に手術を行った。術前の斜視角は、遠見35-113Δの内斜視、近見40-113Δの内斜視であった。1人は左下斜視4Δ、外方回旋15°、もう1人は左下斜視10Δであった。眼軸長は27.65-33.07mmで、MRIで眼球脱臼角は123-148°であった。全例が複視を訴え、立体視を示すものはいなかった。横山式手術が両眼に行われた。術後のalternate cover testでは、遠見で2Δの内斜視から8Δの外斜位、近見では12Δの外斜視から10Δの内斜位がみられた。3例はそれぞれ100秒、50秒、140秒の立体視を回復した。2例は片眼の下直筋後退が必要で、術後の立体視は25秒と50秒であった。

Conclusions and importance:横山式はheavy eye syndromeだけでなく、脱臼角120°や外転制限の少ない近視性内斜視にも有効である。視力が良好であれば、眼球偏位の改善とともに立体視が回復する可能性がある。

※コメント
術後立体視が可能になる方はおられるので結論としては同意です。脱臼角が広い(120°以上)ので横山法の適応というのはわかりますが、遠見35Δに実施するのは感覚的に怖いですね。(問題ないとは思いますが経験がないので個人的な感覚として)

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