201. 成人における近視の進行:レトロスペクティブ解析

Myopia Progression in Adults: A Retrospective Analysis

Khan HA, Naduvilath T, Tahhan N, Sankaridurg P. Optom Vis Sci. 2023 Jul 27. doi: 10.1097/OPX.0000000000002045. Epub ahead of print. PMID: 37499166.


意義:成人の近視進行に関する研究は限られている。若年成人の近視者の大規模なデータセットを後向きに解析することで、成人期の近視進行の特徴を明らかにする。
目的:近視の年間平均進行度を測定し、成人近視者における進行者の割合を推定すること。

方法:18~30歳の若年成人近視者(等価球面屈折異常-0.5D以上)の縦断的、非調節麻痺下の自覚的屈折データをレトロスペクティブに分析した。年平均の進行度、および進行者の割合(少なくとも-0.50D以上、年平均-0.25D以上)を推定した。

結果:合計354人の近視者、230人(64.7%)が女性で、平均[SD]年齢は22.2[3.8]歳であった。18-21歳、22-26歳、27-30歳の平均[SD]年変化率は、それぞれ-0.10[0.21]D、-0.08[0.2]D、-0.04[0.21]Dであった(P = 0.003)。18-21歳と27-30歳間の差は有意であったが(P = 0.05)、他のすべての一対比較は有意ではなかった。18-21歳群、21-26歳群、26-30歳群における進行者の割合(95%信頼区間)は、それぞれ18.3%(14.9, 21.7)、10.9%(7.1, 14.7)、8.8%(4.4, 13.1)であった。進行者のうち、高等教育/学術的環境で就労または就学している者の割合は16.2%で、非学術的環境にある者と比較して、進学のOR(95%CI)は2.07(1.15~3.74)であった(P = 0.02)。

結論:この研究は、若年成人の近視に関する他の研究と一致しており、成人期を通じて、特に21歳以降は近視が大幅に進行することはないことを示している。今後の研究では、変化率が小さいことや進行者の割合が少ないことが問題になるかもしれないが、成人の近視進行が臨床管理に与える影響を理解するためには、さらなる研究が必要である。

※コメント
学術的な環境に身を置くものは、つまり近見視の割合が多くなると推察される者は、成人でも近視が進行する可能性がある。
21歳以降はその割合が減するが、目を酷使する事に関しては、若いうちは注意する必要があるということになるでしょうか。


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