21. デジタル眼精疲労の治療介入として,20秒間の定期的な休憩を用いるという提案は支持できない(20-20-20ルール)

20-20-20 Rule: Are These Numbers Justified?


Johnson S, Rosenfield M. Optom Vis Sci. 2023 Jan 1;100(1):52-56. doi: 10.1097/OPX.0000000000001971. Epub 2022 Dec 6. PMID: 36473088.

意義:近年,デジタル機器の使用は,職業・趣味を問わずあらゆる年齢層で大幅に増加している。この状態に対して,光学的,医学的,および人間工学的な介入を含む幅広い治療および管理方法が提案されている。

目的:デジタル眼精疲労を最小限に抑えるために,臨床医から定期的な休憩が頻繁に推奨されている。いわゆる20-20-20ルールは,20分ごとに少なくとも20秒間,6m以上離れた対象物を注視するようにというもので,広く引用されている。しかし残念ながら,このルールを支持する専門家による検証済みの証拠は比較的少ない。この調査の目的は,予定された休憩がデジタル機器の使用による悪影響を減らすのに有効かどうかを判断することである。

調査方法:本研究は,30人の若い被験者を対象に,タブレットPCから40分間,認知的に要求される読書タスクを実施した。課題はランダムな単語を読み,実験者が選んだ特定の文字で始まる単語を特定するものであった。課題は4回に分けて行われ,それぞれ5分,10分,20分,40分(つまり、休憩なし)ごとに20秒の休憩が与えられた。各試行の前後に,被験者はセッション中に経験した眼および視覚症状に関するアンケートを回答した。さらに,各試行中に読書速度とタスクの正確さの両方を定量化した。

結果:4つの試行すべてにおいて,試行後の症状は試行前と比較して有意に増加した(P < 0.001)。しかし,報告された症状(P = .70),読書速度(P = .93),タスクの正確さ(P = .55)に対する予定された休憩の有意な効果は見られなかった。

結論:治療法の選択肢として広く引用されているが,これらの結果は,デジタル眼精疲労の治療介入として20秒間の定期的な休憩を用いるという提案を支持するものではない。

※コメント
20秒の休憩では自覚的な症状(やタスクの正確さ等)は改善しないとの結果です。20-20-20ルールに異議を呈する報告でした。自覚的な改善はなくとも,他覚的な所見ではどうなのかは気になるところです。

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