176. COVID-19流行前と流行中の中国の学童における近視進行の比較:メタ分析

Comparison of myopia progression among Chinese schoolchildren before and during COVID-19 pandemic: a meta-analysis

Luo Z, Guo C, Yang X, Zhang M. Int Ophthalmol. 2023 Jun 30. doi: 10.1007/s10792-023-02777-0. Epub ahead of print. PMID: 37389764.


目的:中国の小学生におけるCOVID-19パンデミック自宅隔離前後の近視進行を比較すること。

方法:本研究は、2022年1月から2023年3月までにPubMed、Embase、Cochrane Library、Web of Scienceから検索された、COVID-19パンデミック自宅隔離と中国人学童の近視進行に関するデータを用いて行った。近視進行は、COVID-19流行前と流行中の等価球面屈折(spherical equivalent refraction:SER)と眼軸長(axial length:AL)の平均変化で評価した。COVID-19流行前と流行中の学童における近視進行の性差と地域差も分析した。

結果:本研究の対象となった研究は全部で8件であった。COVID-19流行前と自宅隔離中のSERには有意差があったが(OR = 0.34; 95%CI = [0.23, 0.44]; Z = 6.39; P < 0.00001)、ALには有意差はなかった(OR = 0.16; 95%CI = [- 0.09, 0.41]; Z = 1.22, P = 0.22)。COVID-19自宅隔離中のSERには、男性と女性で有意差があった(OR = 0.10; 95%CI = [0.00, 0.19]; Z = 1.98, P = 0.05)。地域別解析では、COVID-19自宅隔離期間中のSERに都市部と農村部で有意差がみられた(OR = -0.56; 95%CI = [- 0.88, - 0.25]; Z = 3.50, P = 0.0005)。

結論:COVID-19自宅隔離前と比較して、COVID-19流行期間中の中国の小学生の近視進行率が高いことが示された。

※コメント
Chineseの報告ですが、日本でも同じような傾向があるかもしれませんね。
日本はこの手の詰めが弱いのが年々浮き彫りになっています。大規模な調査(検討)がしたいなと思う次第です。視能訓練士主体で出来ないのがweak Pointだと思います(これは仕方ありませんが)。

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