281. 遠視未矯正者の持続的な近見作業における調節と輻湊反応の正確さと安定性

Accuracy and stability of accommodation and vergence responses during sustained near tasks in uncorrected hyperopes

Ntodie M, Saunders K, Little JA. Sci Rep. 2023 Sep 1;13(1):14389. doi: 10.1038/s41598-023-41244-9. PMID: 37658084; PMCID: PMC10474059.


本研究では、遠視の有無にかかわらず、2つの持続的な近見課題に取り組んでいるときの調節・輻湊機能の正確さと安定性を調査した。屈折矯正をしていない参加者(n=92、5~10歳)の持続的な調節と輻湊の特性を、遠視(調節麻痺下検影法で+1.00D以上、+5.00D未満と定義)の有無にかかわらず、偏心赤外フォトレフラクション(PowerRef 3; PlusOptix, Germany)を用いて測定した。参加者が25cmの距離でそれぞれ15分間、2つの課題((1)Amazon Kindleで小さな活字を読む、(2)液晶ディスプレイでアニメーション映画を見る)に取り組んでいる間、両眼の調節力と眼位を測定した。視力、輻湊、立体視の測定を含む総合的な視覚評価を行った。調節と輻湊反応の大きさは屈折異常とは無関係であった(P > 0.05)。しかし、屈折群間で調節反応の正確さと安定性にタスク間差があった(P < 0.05)。調節と輻湊の関係は、両課題とも有意ではなかった(P > 0.05)。しかし、調節と輻湊の不安定性の増加は、全調節反応と関連していた(P < 0.05)。調節要求が大きいにもかかわらず、未矯正の遠視者の調節力は正視対照群と同等であった。しかし、未矯正の遠視の場合、調節反応や輻湊反応の不安定さが増し、視覚体験に悪影響を及ぼす可能性がある。

※コメント
遠視が調節と輻湊の反応に悪影響を及ぼす可能性があるという報告です。
参加者(遠視者)の情報
平均年齢:7.76 ± 1.62歳
屈折値(SE):1.77 ± 0.73D (range: 1 - 4.38)

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