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My role 18話

正月休み
蓮加に初詣一緒に行こうと誘われて待ってるけど

○○:あいつ時間指定までしておいて遅れるって...

美波:○○君、おはよ

○○:おはようございます
美波さん、楓さん

楓:もう私たちもタメ語でいいのに

美波:そうだよ、距離感じるじゃん!

○○:わかり...わかった!

美波:危なかったね~笑

楓:あれ?蓮加は?

○○:まだ来てないんですよ
連絡もなくて

美波:敬語!笑

○○:すみ…ごめん
なかなか治らなくて笑

美波:まぁしょうがないか
蓮加も時間通りに来た試しがないし笑

○○:確かにそうだね

美波:どこか入りたくても正月じゃどこも閉まってるよね

○○:確かに
昨日夜遅かったけど寝れた?

美波:私たちは寝てないよ笑

○○:まさか...徹夜?

美波:楓と二人で話し込んでたらいつの間にか集合時間だった笑

○○:ほんとごめんなさい...
そんな忙しかったのに蓮加遅刻で...

楓:そんな○○君が謝ることないよ笑

美波:蓮加に奢らせればいいから笑

○○:ははっ笑確かに笑


楓:いつも思ってたけどさ~
蓮加、いつも○○君のこと気にしてるよねぇ

美波:確かに!なんで?

○○:...う~ん

楓:ごめん、話せないことだった?

○○:いや、話せるけど...
少し重たい内容だから新年早々に気分を落としてしまうかなと

美波:大丈夫
○○君はもう私たちの弟みたいな感じだし

楓:あれだけ支えてもらってるから
何かあったら私たちにも頼ってほしいしね


○○:...じゃあなるべくポップに話すね?

美楓:わかった

○○:じゃあまずとっかかりに、


俺には家族がいないのね


楓美:えっ?

○○:正確にはいなくなった、かな

美波:なんで...ってごめんこんなこと

○○:いいよ
そこをちゃんと話しておかないと、後々繋がらなくなるし

俺が3歳になるまでは4人家族だったんだ
会社員の父親、母親、3歳離れた弟

だけど、弟が生まれて4ヵ月目で、父親がくも膜下出血で死んでね

美波:うそ...

○○:家族のために頑張りすぎたんだって、後に母親の日記を見て知ったけど...
だから父親と遊んだ記憶がほとんどない

美波:...

○○:そして弟が2歳になる時に...
2歳児検診ってあるでしょ?

楓:うん、あるね

○○:あれに向かっている時に、高齢者が運転する車が突っ込んできたの
ブレーキとアクセルの踏み間違い、ってやつだね

美波:じゃあ...

○○:うん、ブレーキ痕はなかったから時速80kmにも達してた車が突っ込んで、母親も弟も即死

美波:そんなの...

楓:辛すぎるよ...
小さいころに身近な人が亡くなってたなんて...

○○:うん...ほんとにきつかった...

保育園にいたら、先生にいきなり病院行くよって言われて、連れてかれたら薄暗い霊安室に母親と弟が血まみれで起きる気配ないし…

それで親戚とかもいなかったから、俺は施設に行ったのね
施設の人はほんとに大変だったと思う
ほんとに自分の気持ちを表現するのが下手で無表情だったって

美波:そりゃ小さい時にそんな経験があればそうなるよ


○○:それでふさぎ込んでたんだけど…
何とか施設の人が、立て直してくれて小学校に通い始めた

そんななかで、小学校で授業参観ってあるじゃない?

楓:うん、あるね

○○:当然自分の親はいないし、施設も子供が多いから見に来てくれる人もいないわけで

美波:...まさか

○○:えぇ...
子供は自分と違う境遇の子がいると悪意なく単純な興味で聞いてくるのよ
それで正直に話したら、仲間外れにされて...

美波:...

○○:正直やっていけると思ってた
話せる子もそれなりにいたし遊ぶやつだっていた
けど、小1のころなんて一緒にいる子なんてコロコロ変わるから、その中でだんだんと独りになっていた

楓:...

○○:それでやることなかったから、勉強しようって

美波:...偉っ!

○○:施設なんで小学生から高校生まで対応できるように教材は揃ってるからね
小学校終わるころには中学校の範囲を、中学終わるころには高校の範囲を終わらせちゃった

楓:すごすぎるよ...

美波:でもなんで勉強を?

○○:子供の頃のモテる条件みたいなやつなかった?

美波:あったあった!
足が速い子、勉強ができる子、運動神経がいい子がモテるみたいな

○○:そうそれ!

楓:○○君モテたかったの?

○○:モテたいわけじゃなくて
モテる=友達が多いやつ
みたいに思ってたんだよね

美波:じゃあ友達を作るために...

○○:最終的に友達を作れればいいな、ぐらい

美波:そうだったんだ...

楓:でも…
ここまで蓮加出てきてないけど...

○○:それで蓮加とは小3でクラス一緒になって
あいつが、自分の中で初めて友達と呼べる友達になってくれた

美波:成り行きは?

○○:まず蓮加は人の環境でその人を決めることをしなかった
蓮加は先入観を捨てて、話してみて話が合いそうな子と一緒にいるって感じじゃない?

美波:確かに

○○:その性格に救われたって感じかな

楓:そこからレイちゃんも?

○○:レイも自分と似た境遇だったんで

楓:えっ!?そうなの?

○○:レイが帰国子女なのは知ってるよね

美波:うん

○○:レイは小5でこっちに帰ってきたから
新しいコミュニティに馴染めなかった

美波:それで一人になってたのね

○○:うん
で蓮加に俺と同じような子がいるって言われて

楓:それで声をかけて今に至る

○○:そんなとこ

美波:蓮加大活躍過ぎない?

楓:最年少で少し生意気言ってた子が...

蓮加:誰が生意気よ!

美波:あっ!やっと来た!

楓:ほんとに遅刻癖は相変わらずなんだから

蓮加:それはごめん!

美波:まぁおかげでいい話も聞けたし笑

楓:ね!

蓮加:○○!なんか言ったの!?

○○:いやなんも

蓮加:何か話したんでしょ!?

○○:そんな大したこと話してないって!
ほら早く行くよ!

蓮加:何話したんだー!


美波:元気だねぇ笑

楓:でもあの蓮加が二人を繋いでいたとはね

美波:確かに...
てっきり蓮加が○○君にお世話してもらってたって思ってたけど...

楓:私も思ってた

美波:ほんとかわいい妹と弟だよ

楓:てか、私たち置いてかれてない?

美波:...確かに!
まってー!



ドタバタで正月休みは過ぎていき...
蓮加:○○ー!課題手伝って!

○○:えー、めんどくさい

蓮加:もう終わってるんでしょ?

○○:終わってはいるけど...
なんでそんなにため込んだの!

蓮加:だって...

○○:だって?

蓮加:ゲームしてたら時間経ってたんだもん!

○○:そんな自慢できることじゃないから

蓮加:だって○○強すぎるもん!

○○:はぁ...
じゃあ課題頑張ったら一緒にゲームやってあげるから

蓮加:ほんと!?
じゃあがんばる!

○○:フッ(単純笑)


カキカキカキカキ

蓮加:終わったー!
○○!やるよ!

○○:はいはい笑

カチカチ
蓮加:明日から仕事始まるもんね

カチカチ
○○:そうだな

カチカチ
蓮加:バスラ、やるんでしょ?

○○:おう

カチカチ
蓮加:一人やった!
でどこで?

○○:ナイスー
明日発表だから言わないよ

カチカチ
蓮加:ブゥーーケチ!
あっ!やばい!助けて!

カチカチ
○○:はいはい笑

蓮加:うんま!
蘇生よろしく!

○○:わかったよ、ほらこっち来て
あっ...

蓮加:ヘッショ抜かれた笑

○○:これは相手がうまかったからしょうがない

蓮加:だね
それにしても○○の家はやっぱいいわ
環境揃いすぎでしょ

○○:蓮加のと遜色ないでしょ?

蓮加:まぁね笑
ねぇ、今度は吉田も入れてやろ

○○:いいよ
多ければ楽しいしな

蓮加:やった!
じゃあ、もう一個用意しといてね

○○:それは無理だって

蓮加:自作、趣味なんでしょ?

○○:いや趣味だけどさ...

蓮加:じゃあよろしく♪

○○:はぁ...わかったよ

蓮加:言ったからね!

○○:まぁ、すぐには無理だけどな

蓮加:えー!なんでよ!

○○:だってこれからリハもあるんだぞ?
そんなことしてられる時間ないだろ

蓮加:ブゥーー

○○:これから大変になってくんだから



蓮加:...ねぇ○○?

○○:ん?

蓮加:誰か卒業するの?

○○:...えっ?なんで?

蓮加:大変になる=誰か抜ける、ってことでしょ?

○○:...

蓮加:ねぇ...もしかして...




白石さん?




To Be continued...

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