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Cafe おままごと⑥



先生:じゃあ後ろから集めてきてー


学校から配布された進路希望の紙...


今までの私なら、ずぅーーっと考えて悩んで、結局何も書けないまま出していただろうけど...
行きつけのあのカフェのおかげで決まった



"保育士とカフェの店員さんになる"


どっちも書きたかったけど、流石に現実を見ろって先生は言ってくるから
保育士の資格が取れる短大って書いたけどね





遥香:あやめ~ん

あやめ:ん?

遥香:進路希望なんて描いた?

あやめ:え~?秘密~♪

遥香:なんでよ~笑

あやめ:え~、じゃあかっきーの教えてくれたら言うよ


遥香:....えぇっとね...


彼女と仲良くなって長いからよくわかる
かっきーは悩んだり何か言いたくないことがあると、あごが出てくるんだ

あやめ:かっきー?

遥香:わ、笑わないで聞いてくれる?

あやめ:え、うん...

遥香:あ、アニメーター....

あやめ:えっ!すごいじゃん!

遥香:そ、そうかな...

あやめ:うんっ!
でもなんでそんなに自信なさげなの?

遥香:....実はね....



"親とケンカしたんだ..."




わかる...
自分で考えて考えて、今の自分が出せる全ての考えで出した自分の将来


でもそれは社会の厳しさを知っている親からすると甘ちゃんな考えなのだろう


自分が追い求めている理想と親が思っている現実
それが乖離してればしてるほど、隔たりが大きくなりケンカに至る


かっきーはほんとにいい子で、勉強もできるザ・優等生って感じの子
親御さんとも仲いい話を何回も聞いていたし、なんか意外でもあった




でもだからこそかな...
できる子だからこそ親御さんの期待は自然と高くなってしまうんだろうな


なんとなく自分に重ねてしまう
自分も親があれだから...




かっきーの顔はいつも通り...
ではなく、若干目が腫れているように見えるし、疲れているようにも見える

そんなかっきーを見ているとこっちも悲しくなってくる
いつもニコニコしているかっきーだから



あっ!そうだ....



あやめ:かっきー、今週の土曜日って空いてる?

遥香:う、うん
多分空いてると思うけど...

あやめ:じゃあ一緒にお出かけしよっ!

遥香:うん、わかった!






そして迎えた土曜日...


遥香:あやめんと2人でお出かけなんて初じゃない?

あやめ:確かに!初かも!

遥香:いつもはレイちゃんとかまゆたんとかいるからね

あやめ:そうよね~
あっ!着いたよ


そこはいつもの古き良き外装をした建物
でもかっきーは...


遥香:...えっと...ここ?


少し驚いている
それもそうだよね
普通の女子高生だったら、デパートやショッピングモールに行きたがる
映えや流行りを満喫しにね
今日もそこに行くって思ってたんだろうな....


でもごめんね、かっきー
今日はそういうのじゃないんだ~



あやめ:うん
ほら、入ろ?



カランカラン


彩:いらっちゃいましぇ~!

前に来た時にはおどおどしていた彩ちゃんが元気な声で「いらっしゃいませ」って言ってることになんか感動する...
それに....


遥香:か、か、か...可愛いぃ!!

彩:ビクッ

あやめ:かっきー、彩ちゃんびっくりしちゃってるから...笑

遥香:あぁ...ごめんね

彩:だ、だいじょうぶっ!

あやめ:彩ちゃん、お席まで案内してもらってもいいかなぁ?

彩:はいっ!


こうして彩ちゃんに案内してもらった私たち

彩:えぇっとぉ...
ご、ごちゅもんは....えぇっとぉ...

あやめ:これかな?

彩:うんっ!

あやめ:じゃあまた注文の時お願いね?

彩:はいっ!ペコッ


そういって走って戻っていく
可愛いなぁなんて思っていると


遥香:ねぇねぇ!あやめん!

あやめ:ん?

遥香:なんであんなにかわいい子が接客してるの?ここ!
それになんであやめんあの子と親しげなの!?


矢継ぎ早に質問してくるかっきー
そりゃそうだよね...


あやめ:ここはね...
私の将来働きたい場所であり、私の心を癒してくれる大切な場所なんだ

遥香:...そうなんだ

あやめ:うん....
私もさ、親とケンカしたり勉強勉強で疲れちゃったときにたまたまここを見つけてさ
すっごい癒されたと同時にやりたいことが決まった、大切な場所

かっきーにさ、この前進路のこと聞かれて私答えてなかったじゃん?


遥香:うん...

あやめ:私は、ここで保育園の先生になりたいんだ

遥香:保育園?

あやめ:そう
このカフェの裏に保育園があってね
そこの子供たちがここのカフェの店員さんなんだ

遥香:すごい...

あやめ:でしょ?

自分の事じゃないけど、大切な場所を褒めてもらうのはなんか誇らしく思う

遥香:注文するときにもあの子が来てくれるの?

あやめ:うん、そうだよ

遥香:じゃあ早く注文しよ!

あやめ:わかったよ


ピンポーン


『はーい!』


トコトコ


和:おうかがいします...

あやめ:あっ!和ちゃんだ!

和:あっ...ペコッ

あやめ:ふふっ、久しぶりだねヨシヨシ

和:へへ//

遥香:彩ちゃんって子じゃないけど...
この子も可愛い...


それから私はコーヒーと卵サンドを
かっきーはクリームソーダを頼んだ


あやめ:ねぇ!かっきー

遥香:ん?

あやめ:かっきーの絵を見てみたい!

遥香:えっ?

あやめ:ダメ?

遥香:ダメじゃないけど...


ガサゴソ


遥香:こんな感じ...

かっきーがいつも描いてるっていうタブレットを見せてもらうと
そこにはプロが描いたかのような絵が...


あやめ:えっ...すごっ...

遥香:なんか恥ずかしい///

あやめ:これもすごい....

かっきーの絵を熱心に見ていると


チョンチョン


あやめ:ん?
あっ、和ちゃん、どうしたの?

和:にゃっも見たい...

あやめ:かっきー、いいかな?

遥香:うん、大丈夫だよ

あやめ:じゃあ一緒に見よっか


和:うんっ!

和ちゃんはすごくキラキラした瞳でかっきーが描いた絵を見つめる

和:あっ!この人たち知ってるっ!

遥香:ほんとっ!?

和:うんっ!
これほんとにおねぇちゃんがかいたの?

遥香:うん、そうだよ

和:すごっ!



○○:和ちゃ~ん

和:あっ!いかなきゃ!


和ちゃんが〇〇さんに呼ばれて戻っていく


あやめ:かっきーの絵、ほんとにすごいね

遥香:そうかな...

あやめ:和ちゃんのあのキラキラした目見た?

遥香:うん...

あやめ:かっきーの絵にはそれだけの力があったんだよ
すごいって思わせられる力が

遥香:...



なりたいものになれるのはほんとに一握りの人間だろう
好きなものやりたいこと人それぞれにあるけれど

自分が誇れるものがないとなるのは難しい

でも彼女にはそこで一流になれるだけの力がある
素人の私がいうのもなんだけど...
かっきーに伝わっていたらいいな


そんなことを想いながら絵を見ていると...


コトッ


○○:コーヒーと卵サンドね~
これはあやめちゃんかな?

あやめ:あっ!○○さん!

○○:いらっしゃい
いつもありがとね~

あやめ:いえいえ!

○○:和ちゃん、こぼさないようにね

和:ソロ~リソロ~リ

○○:ふふっ、このクリームソーダは...
あやめちゃんのお友達かい?

あやめ:はい!

遥香:あっ!賀喜遥香って言います!

○○:遥香ちゃんかぁ
いい名前だね

遥香:あ、ありがとうございます///

和:よいしょ!
コトッ

和:どうじょっ!

遥香:ありがと~!

○○:ゆっくりしていってね

遥香:はいっ!ありがとうございます!

○○:あっ!あやめちゃん

あやめ:はい

○○:さっちゃんも会いたがってたから後で会ってあげて?

あやめ:はいっ!



和:ジィーーー

○○:和ちゃんもクリームソーダ飲みたい?

和:コクッ

○○:じゃあ作ってあげるね

彩:あやもっ!

○○:わかったよ笑
じゃあ作って持ってってあげるから、座って待ってな?

和彩:うんっ!


2人は手を繋ぎながら、あやめちゃんと遥香ちゃんのいるテーブルへ向かった




瑛紗:あのお二人の事大好きなんだね

○○:そうだね
和ちゃんは遥香ちゃんの隣に座って嬉しそうに見てるし
彩ちゃんはあやめちゃんの隣でニコニコだもんね

瑛紗:あの彩ちゃんを美空が見たら、超嫉妬しそう

○○:確かに...笑

ここにはいない瑛紗の同級生のことを想いながら、テーブルにクリームソーダを運ぶ


和やかな休日が過ぎていく...はずだったのに





To Be continued...

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