【基本編】インバスケット試験でのオススメ参考書

はじめに

 リーダーやマネジメント向けの昇格試験によく使用されるのがインバスケット試験。あなたがある業界の会社でマネジメントに任命され、メール形式で様々な問題が降りかかってくる中で、「案件処理」として①取り組むべき優先順位をつけ、②スピード良く処理し、「戦略立案」として③その過程で見えてくる組織の本質的な課題を洗い出し解決に向けた戦略を立案する、というのが主な流れになります。

 汎用的なマネジメントスキルを測る試験のため、メーカー/出版/サービス/医療などの中からあなたが所属していない業界で、専門知識は何もない状態から解決をしていかなければならないのですが、インバスケット独自の共通する”考え方”や ”問題の解き方”が存在し、何度も反復することで傾向を掴むことが可能です。今回はそんなインバスケット独自のルールを把握するのに踏むべきステップをオススメの参考書と一緒に紹介いたします。

 なお、紹介をする前からこんなことを言ってしまうのは大変恐れ多いのですが、市販の参考書では特に「戦略立案」部分について深さのある解説ができている本は私が知っている限りでは無く、悲惨なことに本に載っている模範解答レベルを実際に回答していると落ちてしまうということが起こり得ます。書籍として誰もが共通するレベルで伝えた方が多くの方に読んでもらえるという部分があるため仕方のないことかもしれませんが、インバスケットの「戦略立案」を昇進試験に導入されているような会社の方であれば、市販の本で傾向を掴んだ上で、更にその先の”一歩踏み込んだ”戦略立案ができるようにならなければいけないということを必ず覚えておいてください。(これに気づかずに試験に落ちた方を何人も見てきました。)

 そんな「”一歩踏み込んだ”戦略立案」については、こちらの記事でも紹介しておりますので、よかったらご一読ください。

 前置きが長くなってしまいましたが、続いてインバスケットの傾向を掴む上で踏むべきステップとオススメの参考書を紹介いたします。

ステップ1:「インバスケット」とはそもそも何かを知る

 とにもかくにも、インバスケット初対面の方はインバスケットとは何かを知る必要があります。このステップでオススメの参考書はこちら

①「インバスケット・レポート」 インバス!トレーニングセット


②究極の判断力を身につけるインバスケット思考 鳥原隆志著

 これらは「インバスケットとは何か」を理解するための本なので、どちらかを一読できれば十分です。

ステップ2:実際に問題に触れて回答の傾向を掴む

 このフェーズでは圧倒的にインバス!の問題集がおススメです。またインバスの問題集には難易度や戦略立案の有無によって違いがありますが、簡単なレベルのものを何種類も解くのではなく、ドンドン次のレベルのものに取り組む方が効率的です。

インバスケット問題集の難易度は以下の通りです。
初級:RA、RB、RC、Jなど
中級(戦略立案の問題無し):F、G、Sなど
中級(戦略立案の問題有り):K、M、T、Y

ステップ3:難易度の高い問題を解いて回答を磨く

最後に難易度の高い問題を繰り返し解いていきましょう。難易度の高い問題集としてオススメなのは以下です。

①インバスケット演習の実践 西山 真一著

②人材アセスメント受験者、管理職のためのインバスケット演習 西山真一著

 これらは非常に難易度が高い問題集なので時間を測りながら繰り返し何度も取り組むことをオススメします。

最後に

 このステップを踏むことで確実にインバスケットのことを理解し、ハイレベルな問題まで対応することが可能になります。一方、冒頭でお伝えした通り、「戦略立案」の回答についてはもう一段深ぼった回答が必要になる場合も存在しています。試験に向けて更に準備をしたいという方には、繰り返しになりますが、以下の記事を一読いただくことを強くオススメいたします。

 インバスケットの教材には非常に高価なものも多く、なかなか気が進まない方も多くいらっしゃるかと思います(かく言う私も、初めは教材を買うことを躊躇いました)。しかし、インバスケット試験を合格することで役職や年収が変わるのであれば、その費用はどれだけ多くとも数か月の給料でペイできてしまうのではないでしょうか。であれば、あらゆる手を尽くして全力で自分に投資し、せっかくのチャンスを一度で確実に掴み取るのが一番コスパのいい選択肢ではないかなと思います。


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