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風の記憶、時の雫

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note をはじめてみようと思う。 秋晴れの空を眺めていたら、風がやってきて、 そのときにふと思ったわけです。
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2021年6月の記事一覧

蚊帳

小さい頃、夏になると蚊帳の中で寝るのが好きだった。 蚊に刺されるのもいやだったけど、 蚊帳の中は何か特別な空間だった。 オトナたちが居る世界とは別のこどもだけの空間だった。 夏布団が敷いてあるけど、いつもの寝室とは違う。
. 寝る時間には早い。まだ眠気はやってこない。 そんな時間にTVを観るより楽しみな蚊帳時間。 藍染めした麻の手触りも肌触りも心地いい。 ここは誰もが入ってこられる寝室ではないのだ。 好きは本を持ち込んだ、こどもだけの世界だ。
. ここで本を読んだり、あれ

かぜのどうせん

くうきがうごく かぜになる こころがうごく おもいがうまれる くもがうごく そらがひょうじょうをかえる こころがゆれる おもいがいきさきをさがす かぜをとめるな くうきをうごかせ くもをこていするな そらにひょうじょうをつくれ おもいをとざすな こころをうごかせ かぜのどうせんをつくれ こころをそれにのせろ

やさしい人になる

やさしい人は甘やかす人ではない。 思いやる人である。 思いやる人は遠慮する人ではない。 手を差しのべる人である。 やさしい人は突き放す人ではない。 寄り添える人である。 寄り添える人は側にいる人ではない。 温もりを交わせる人である。 やさしい人は傷を舐め合う人ではない。 傷を癒す人である。 やさしい人は想い出に浸る人ではない。 想い出を未来に見る人である。 やさしい人はタイミングを知っている。 やさしい人は躊躇しない。 そんな人にわたしはなりたい。 そんな人にわ

自然の中で

空に星があり 地上に花がある 風はかすかな匂いを 手元に運び 日差しはやわらかく降る 穏やかな1日の 流れる時間の中で やすらぐ時に 身を委ねたら 息は静かに整っていく 空で小鳥がさえずり 山野で翠が 深く呼吸する 生きているものたちの ささやかな営みがある 五感が働けばわかる 自然の中で 雑な生き方をしている ものはいない 変化の中で懸命に生きている

『こどものとうひょう おとなのせんきょ』

こどもの頃「民主主義」を習いました。 あなたは覚えているでしょうか? 今は都議選の最中ですが、 秋には総選挙の投票があります。 投票したら終わりではありません。 そのことを思い出しておかないと 「民主主義」は抜け殻になります。 こどもは学ぼうとします。 素朴な疑問を抱えながら学ぼうとします。 オトナに疑問をぶつけようとします。 答えを求めようとします。 答えを探そうとします。 それを無視したり、笑い飛ばしたりすれば 数年後オトナなったこどもたちに 無視されるでしょう。

此岸に咲く花よ

生とは何か 死とは何か 運命とは何か 人とは何か 生命とは何か 社会とは何か 善とは何か 悪とは何か 人はなぜ生きるのか 人はなぜ苦しむのか 人はなぜ愛するのか 人はなぜ憎しみ合うのか 悠久の時の流れの中で 人は何をなしてきたのか そしてこれから どこに向かおうとしているのか 永遠に見つからない答えを求め 永遠に問い続ける 限りある道の先にある 見えない永遠の道へ それが生を課せられた 人のあり方だろう 此岸に咲くことを許された 人としてのあり方に違いない

アンダーグランド

今の世の中は諦めの中にある 希望に満ちた世の中でも 信じられる未来もない ひとりでは生きていくには辛すぎる 世の中を動かしている世相は 再び混迷の中にある 良心はアンダーグランドに生きて 嘘まみれの表の世界には出てこない 諦めの思いに良心は押され 苦しさの淵に閉じ込められる 息継ぎができない空気の中で もがくことさえ諦めようとしている 空虚な言葉が垂れ流されても 心一つ動かない 封印したシュプレヒコールが 身体の中でこだまして飛び出せない 生きていくために良心を捨て

朽ちていくこころ

人の住まない家は朽ちていく 人の寄り付かない家は寂れていく 人のこころも同じ 思いの人が居ないこころは老いていく たとえ片想いでも居るならば こころは瑞々しさをたたえゆく 往き来のないこころはいつしか閉ざされる 行き場のないこころは彷徨い 幽かなる 住まうこころに手を差し伸べて そっとやさしく抱きしめる

ぼくは歩きつづけてきた 激しい雨が打ちつけようが 飛ばされそうな風が向かってきても ずっと歩きつづけてきた ぼくは歩きつづけてきた どこかに目的地があるかのように いつかたどり着けるかのように へとへとに疲れても歩いてきた でもどこにも目的地はない どこにも見当たらない かわりに大切なものを落としてきた 背負う時の重さと反して 削られた身の痛さ これからも戻れない道を歩きつづける

宇宙(そら)と私

その人を知るためには その人の友人や仲間をみればいい。 私たちの地球(ほし)を知るには、 宇宙(そら)の仲間を見ること知ることだ。 もし、夜空に銀河がなかったら、 きっと孤独な地球に違いない。 もし、夜空を見上げなかったら、 きっと人類は滅んでいたに違いない。 奇跡の地球と いわれることもなかったに違いない。

低い雲

どこかにやり残したことがあるに違いない いつも探している 胸の奥が渇望している いつもサーチしているけど見つからない 低い雲の中には悲しみが隠れている どれだけ悲しみが増えれば しずくが降りてくるのだろう 受けきれない僕は雲を眺めながら そそくさと帰り支度 あの雲の中にやり残したことが詰まっている 探すべき場所は知っていた 探さないようにしていた いつも渇望していた自分に甘えていた やり残したことを高く放り投げても 悲しみが増すだけ やがてしずくになって 抱えきれないほ

ふしぎ

だれも知らない 謎めいた世の中に 不思議 不思議と叫ぶ声がする 声の主は見えねど わたしの頭の中にどこからともなく 響き渡る ふしぎ ふしぎ まったくもって この世は不可思議なことばかり ふしぎがふしぎでないのか だれも解き明かそうとしない 答えはどこにもない 不思議を不思議と思わない方が 不思議でたまらない 謎めいた世の中に 悩ましいわたしがひとりいる

世界のかたち

澄んだ眼差しが見据えるものは 着飾った姿でも 取り繕った言い訳でもなく ごまかした公約でもなく 澄んだ瞳で見たいものは 本心であり 本質であり 飾らない僕自身でもある 大人になれば見えてくる 社会はまがいものでできている 本質と混ざった世界が 目の前にある いつまでも曇り空では 気が滅入る 繰り返す異常気象では 何が異常かわからなくなる 霞みがかった眼差しでは 世界は半分も見えていないだろう 考えることも止めてしますだろう それが権力者の企みなら僕は抗おう

夏の思い

高気圧低気圧 君らは仲がいいのかい 悪いのかい いつも人の頭を痛くして すこぶる調子も悪くする 真夏のような空を はりめぐらしたかと思ったら じめじめっと激しい雨をよこす 大地は喜ぶかもしれないが 人はついていけない せめて涼しい風をめぐらせよ 開け放した窓から窓へ 心地よさを通らせよ 夏を嫌いにさせないでくれ あの遠い山の峰々まで 行きたいのだから 雲の峰を目指して 進みたいのだから