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風の記憶、時の雫

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note をはじめてみようと思う。 秋晴れの空を眺めていたら、風がやってきて、 そのときにふと思ったわけです。
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2021年5月の記事一覧

心の有り様

5月も今日で終わり 明日から6月になる。 制約の籠に入れられ、 不自由な日常に憤りを感じたり、 不平不満を言うほど 日々の時間は早く過ぎていく。 どうやら人間が感じる時間の早さは 人間の心の有り様が支配している。 同じ時間の流れを生きていても 残せるものがあるのとないのでは 時間の進み方が違って感じられる。 人間はわがままだ。 自分の欲のあるがまま 正直に突き進む。 自分勝手な生き様がそこにはある。 だが、わがままは自由であることを 忘れてはいけない。 自由は自分を律

生きている言葉、死んでいる言葉

梅雨の最中だけど、 夏日が2日も続けばもう梅雨明けしたのかと 勘違いするのもわかる。 梅雨の晴れ間といえばそうなんだけど、 この日差しは容赦ない。 買い物などクルマで出かけて、 駐車場が炎天下だと ほんの小一時間でも クルマの中はめっぽう暑くなっている。 よくちいさい子どもを車中に残し、 遊びに行く親が毎年のように問題になるが、 大人でも耐えられない暑さの中で 泣くことしかできない子どもの苦しみや いかほどか。 ちょっとの想像力もあれば 容易にわかりそうなものだけど。

空と地上

閉じこもる訳もわからず 痛んだココロを癒す仕草をしている   緋き空に昇る 蒼き月   沈みつ時間に 光を増す 八つ当たる宛てもわからず 憤るココロの内を吐き出しまわる   緋味が薄く拡がる 蒼き空   輝きつ時間に 星が増す 何がどうしてどうなるのか 非日常が日常を蝕み世界は病んでいく

メビウス

静かに閉じた宇宙が拡がる遠ざかる 閉じているのか開いているのか 気の遠くなる時間の幅で メビウスの宇宙は続いていく 裏も表もない世界に 小さな嘘を落とした 大きすぎる世界には見えない嘘が 惑星の上では大きな傷となって残った 一つ傷が癒えればまた一つ生まれる 解けない謎が瀕死の惑星に刻まれる 閉じてはいるが開かれてもいる メビウスの宇宙 誰かの意思で創り上げた嘘が やがて世界を破壊する

アジサイに告ぐ

雨を忘れた空は 夏の思いを引き上げる 6月の空は迷わない 太陽が力をつけていく 雨で匂い立つ五月野も 乾いた風がなでる夏野も 夏の真ん中に向けて ぼくを送り込む 夏の力が降り注ぐ空から 風がやってきて もうすぐだぞと告げて アジサイをゆらす 誰も雨を忘れてはいない アジサイは黙ってうなずいた

まえにすすむわけ

なにをそんなにいそいで きみははしっていくのだろう よくぼうなのか あせりなのか じかんとかけっこをしているようだ なにをそんなにのんびりと ぼくはみちばたにすわっているのだろう むよくなのか あきらめなのか ながれるじかんをみているようだ じかんのみちをただすすんでいても こころにはなにもうかばない みあげたそらにさえ くもはうかんでいる かぜもながれて ひもおちる たまにはたちどまり いそぐわけも のんびりするわけも さぐってみてはどうだろう わずかなじかん

予兆の音

深々と潜り込むココロの中で 駸々と過ぎる歳月 ゆれ動く心身が衰弱の淵にいる 誰にも話せないでいた記憶が 津々とよみがえる 意識したわけではない 夜中にゆれる窓の外で 夏の風が騒いでいる 何を語るのか叫ぶのか 深々とはほど遠く窓を通してくる 予兆は静かな時の中で始まらず たいていは不気味さを連れている ココロの一番弱い部分をゆさぶる音 眠りを通して何かを告げに来た

浴室

今日も疲れた… 声にならないため息で女はつぶやいた。 女の眼は腫れぼったくはなく むしろとろんとした趣きで 視線を床に落としている。 あれからどうしたろう。 よく覚えてない。 2日前の夜のことを思い出そうとしても 途切れたフィルムのように 記憶が空回りして先を辿れない。 そのもどかしさから いまも抜け出せないでいる。 浴室に入る視線の先で 剥げかけたペディキュアの赤が 少し痛々しく映った。…あ… そのとき心の中を見ているように 切りとったフィルムの一片を見つけた。 つな

変わり始める

一期一会というが、善い縁に出会ったとき 何かが変わりつつある。 何かが動きつつある。 不思議なもので、 人は縁につながると変化が必ず起きる。 内在していたものが引き出される 感じとでもいおうか。 それは、外から得たものではなく、 外からの作用があって 自ら顕在化してくるものだ。 この心地よい変化が起きるのは、 その縁がいいものだったからに他ならない。 出会った人たちが皆それぞれに、 本質的に素敵な世界観を持っているから 惹かれるのだろう。 私に内なる変化が起きているという

新格言シリーズ

◾︎ 知らないことは罪ではない。   知ろうとしないことが罪である。 ◾︎ 親バカは親の務め ◾︎ 人にとって、心は最も重要な感覚器である。 ◾︎ 継続は愛である。 ◾︎ 一生懸命やらなければ挫折もしない。

スーパームーンで皆既月食

今度の満月はスーパームーンです。 そしてこの日、皆既月食が起きます。 なので「レッド・スーパームーン」とも呼ばれます。 5月26日(水)がその日。 スーパームーンと皆既月食が重なることはめずらしく、 今回を逃せば次は12年後だとか。 晴れていれば日本全国で見られる好機なのです。 問題は天気だけですね。 皆既食「レッド・スーパームーン」の状態は 20時11分〜20時26分までのわずか15分ほどなので、 せめて、この時間だけでも晴れてくれるといいんだけど。 晴れてくれることを

雨のしずく

雨のしずくを ひとつ一つ数えたくなる1日 行き交うクルマの 水しぶきに我にかえる 冷たい雨が泣くように 電話ボックスの外を曇らせる 積み上げたコインがしらせてくれる 僕とあなたの時間が 終わりに近づいていることを 最後が雨なんて でき過ぎたストーリーだったね あの電話ボックスはもうなくなって つないだ時間を見ることも ストーリーの続きもないけれど 心にしまった思い出は 今日の雨の日には瞳ににじんで あなたの面影を浮かべる 雨のしずくは今も昔も変わらない あの時の約束は果た

あいつ

車の下に猫がいる  おい、おまえ  車が出せないじゃないか 猫はしぶしぶ  しょうがねーなぁ とぼとぼ出て行く 玄関先に猫がいる  おい、おまえ  中に入れないじゃないか 猫はふんと顔を背けて  みまわりのとちゅうだったんだぞ スタスタ通り過ぎる 庭の石の上に猫がいる  おい、おまえ  水をまきたいんだが 猫はふぁあとあくびをして  けずくろいもおわったし 塀の上にひょいと飛び乗った 僕の飼い猫じゃないが いつものんびりやってくる うちはあいつのテリトリーか 僕はいつも

雲雀

雨の合間に 雲雀が高い空で鳴いている 姿は見えねど 美しい歌声が訊こえてくる 雨ばかりじゃ 自慢の歌声も訊かせられない 雨の合間の 畑仕事のその合間に空を見上げた 精が出る 母の姿にも訊こえるか 歌い手は 構わず高い空で声だけ響かせる あれあれ あちこちで美しい声がする 雲雀も 長雨が続くと我慢の限界なのだ