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風の記憶、時の雫

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note をはじめてみようと思う。 秋晴れの空を眺めていたら、風がやってきて、 そのときにふと思ったわけです。
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2018年8月の記事一覧

季の間

耳を澄ませ、目を凝らせ。 鼻を利かせ、舌を尖らせ。 肌をさらせ、心をひらけ。 いま季節は移ろうとする。

いのち澄む

きみが死んだあとで きみは正直者だとしる きみが死んだあとで きみが好きだったことをしる きみがここにいないのに ぼくが死んだあとで ぼくは噓つきだとしる ぼくが死んだあとで ぼくは愛されていたとしる ぼくはここにいないのに 生きていたときに しらないでいたことに 罪のいしきがあるのなら きみが死ぬまえに許しをこう ぼくが死ぬまえに許そう 死ぬまえのきみに会えるのなら みなは何をさらけるだろう 死ぬまえのぼくに会ってくれるなら みなは何を言うだろう 見ようとしなければ何

行き合ひの空

今日は朝から初秋の空気が風になり 午後になっても快適な一日になった。 気温も午後2時で30℃。 30℃ってこんなに快適なのかと思うほど、 今年の夏は異常過ぎた。 今日は一日、体が軽く感じる。 頭も冴えている。頭の中が澄んでいる。 このまますんなり秋に向かうとは思えない。 残暑の揺り戻しがあるだろうと思うけど 季節は動いているんだなと感じる。 季節の変わり目は空からともいう。 太陽の軌道は低くなってきた。 空も青く高くなってきた。 現れる雲のカタチも変わってきた。 季節の移

おもいだせますか?

おもいだせますか はじめてのきもちを いだいたときのことを オモイダセマスカ ハジメテノキモチヲ ツゲラレタトキノコトヲ はずかしくて とまどって じぶんのきもちなのに どうすることもできなくて オドロイテ チョットコマッテ ウマレタテノキモチヲ ドウスレバイイカワカラナクテ せつなくて ちょっとくるしくて ウレシクテ デモドウカエセバイイカワカラナクテ おもいだせますか はじめてのきもちを つたえたときのことを オモイダセマスカ ハジメテノキモチノ ヘンジヲモラ

急げ!

なにか大事なものが壊れる前に なにか大切なものを失う前に 急げ! 美しい景色の向こうで やさしい笑顔の奥で 安らぐ音色の遥か遠くで なにかが壊れはじめ なにかが消えようとしている 気づいたときに 手遅れにならないように 手の施しができなくならないように 急げ! 頭に声が響く 心に声が届く 急げ! 急げ! 急げ! 時間は加速度を増して消費する 間に合わなくなる だれかが警告する 急げ! だがあわてるな 落ち着きを失っては急ぐ意味がない 冷静さを欠いては周り

白雨

つい先ほど、夕立があった。 この夏はじめての夕立らしい夕立だった。 この夕立を「白雨」という。 急に激しく降りだし、短時間でやむ雨だけど、 昨今はゲリラ豪雨が顕著になりすぎ、 夏の風物詩といえる「白雨」はすっかり 息をひそめるがごとく聞かなくなった。 白雨がくれば、焼けた町の熱が冷まされ 夕暮にいくぶん暑さがやわらぐものだ。 しかし、ここのところの酷暑続きで 熱せられた町はそう簡単には熱が冷めやらぬ。 かえって蒸し暑くなるだけのように思う。 白雨上がりの爽やかさはどこに