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風の記憶、時の雫

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note をはじめてみようと思う。 秋晴れの空を眺めていたら、風がやってきて、 そのときにふと思ったわけです。
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2018年7月の記事一覧

地球人の孤独

地球人口はおよそ73億人 だから 73億通りの幸せがあるに違いない 73億通りの不幸せもあるだろう 73億通りの愛し方もあって 73億通りの愛され方もある だから73億人いても 73億通りの孤独もあるのだ それは奇跡的な数字だ 数字は増えたり減ったりする 戦争があれば一気に減る 致死的なウイルスの蔓延でも一気に減る 大規模な自然災害でも一気に減る 地球のさじ加減で一気に減る 一気に減る時は 減る数以上の悲しみと苦しみを残していく それを人間が決めるのは まったく愚かな

残照

たいへんたいへん。君は大きな声で はやくはやく。急かす。 どうしたの? とぼくは聞き返す。 いーから、はやくきて。と急き立てる。 ちょっとまって。とサンダル引っ掛けて あわてて声のする方へ駆け寄った。 わぁー。と 声を発してそのまま空を見上げた。 君は10mほど先に立って 同じ空を見上げていた。 しばらくふたりには声がなかった。 何も話しかけずにいたけれど お互いの気持ちはわかっていた。 すごい…。とぼくがつぶやいて ね、すごいよね。と君もつぶやいた。 そのま

豪雨の先に

一週間まともに太陽を見ていない 経験したことのない豪雨が続いた。 それも峠を越して雲の切れ間が見えた と思ったら一気に晴れ間が広がった。 陽が差し込む強さは痛いほどうれしい。 空に貯えた水が一滴もなくなるのではないか と思うほど降り続けた雨。 その際限のなさと水害の恐怖が 頻繁に鳴り響くスマホの警戒速報と 共に押し寄せる毎夜だった。 自然の猛威にさらされると 人間の力の及ばない自然の意思の ようなものを感じてしまう。 だからこそ人は助け合わないと いけないんだという思いを