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超小型衛星の汎用化に挑む、京都発ベンチャー企業テラスペース(株)を取材!

こんにちは、コスモ女子ライター・Kayoです。
最近、自宅にいる時間が増えたので『インターステラー』や宇宙に関する映画をたくさん観てみようかなと思っています。

さて、コスモ女子は2022年度に女性だけのコミュニティで人工衛星を打ち上げるという目標があります。
さまざまな人工衛星関連の企業から勉強させていただきたいということで、今回、テラスペース株式会社(以下、テラスペース様)様に取材をさせていただきました!


2021年2月1日には、世界遺産 京都醍醐寺と人工衛星による宇宙寺院の開発と打ち上げに向け業務技術提携を行ったというニュースが発表となり、まさに今話題の宇宙ベンチャーです。

そんなテラスペース様の、創業のきっかけから今後のビジョンも聞かせていただき、人工衛星の可能性をたっぷり学ぶ時間となりました!


大学院でMBA取得、宇宙ビジネスを研究し起業

今回取材させていただいた、テラスペース様がどのような事業をされているか、創業のきっかけも併せてお話いただきました。

テラスペース様は人工衛星の開発をミッションを掲げている会社です。

代表取締役の北川氏は、昨年2020年まで大学院にて経営管理を学び、MBAを取得されたそうです。
その時に、改めて宇宙ビジネスや人工衛星の開発関係についても研究されたことがきっかけで、衛星ビジネスを起業することに。

「我々も宇宙を身近なものにしたい、それ以前に我々自身がもっと宇宙に近づいていかなければならない」

そういった想いがあり、人工衛星の開発もされているそうです。

わたしたちコスモ女子のテーマ「宇宙を身近に」と同じであることがとても嬉しく思いました。そして、自ら宇宙に近づいていく想いにとても納得・感動しました。


人工衛星は30年前のパソコンに似ている!?

北川氏は、今の宇宙開発や人工衛星開発の状況を30年前のパソコンに似ているとわかりやすくお話してくださいました。

30年前はインターネットではなく、パソコン通信をやっていた頃でした。
インターネットも大学や研究室を中心に使われかけていたけれども、「こんなにお金がかかるのに何の役に立つのだろう」という見方をしていました。
その後、 Windows95がでて一般家庭でも割とパソコンやインターネットが使えるようになりインターネットでビジネスができるようになると言われていたがみんな半信半疑だったそうです。

けれど、今インターネットがなければビジネスができない世界になってきています。

今でこそ、パソコンは数万円で買えるようになりましたが、昔はちょっとした車を買うような金額だったのです。
しかし、数百万していたものがあっという間に30万円、10万、5万になってきました。
昔は高いコンピューターを使うことは大層なことだったけれど、最近はちょっとしたお絵描きをしたりお小遣い帳をつくるってだけでも使うようになりました。

まさに、宇宙開発や人工衛星もこれからそうなっていく、むしろそういう風にしていかなければならないじゃないかと思っています。


たしかに、今は宇宙ビジネスや人工衛星もまだまだ身近にあるものではないし、まして一般家庭で使うなんてみんな想像すらできないと思います。
ですが、パソコンやインターネットのように、宇宙や衛星が学校、仕事、家庭で当たり前のように使われる時代に、これからなっていくのですね。


人工衛星開発に向けた今後のビジョン

テラスペース様の人工衛星開発におけるこだわりと今後のビジネスについてお話いただきました。

テラスペース様は現在6U-CubeSat(10×20×30㎝)の超小型人工衛星の開発に取り組まれており、今後は手軽に使える汎用人工衛星を市場に提案し、ITと通信分野に力をいれていく予定です。

人工衛星を使ったIOTや画像データ収集などが可能になると一気通貫でさまざまなサービスが提供できるようになります。

そのうえで、3つの技術を蓄えていく必要があるとのこと。
それが、スピード・低コスト化・確実性です。

1.スピード
人工衛星のプラットホームが汎用になれば、在庫の確保が可能に。
今はオーダーメイドのため、制作に年単位の日数がかかります。
パソコンの歴史と同じように大量生産が可能になれば、在庫があるのですぐに手に入れることができます。

2.低コスト化
汎用人工衛星が普及することにより、コストダウンに繋がります。
今は1億円ほどかかる費用が、半分以下、ゆくゆくは10分の1になればと考えています。
お弁当箱くらいの大きさなので、限りなく原材料費に近づいてくるはずです。

3.確実性
これから人工衛星を飛ばすことが当たり前のようにしてきたいです。
過去インターネットも、HPなどに繋がらなかったり、メールが届かなかったり、ということがよくありました。
当時は、そういったトラブルが当たり前で仕方なかったけれど、今はインターネットが繋がらないことが考えられない状況。
人工衛星も、当たり前に使える状況は努力によって作れるはずなのです。
そうなると、宇宙ビジネスにおいていろんなプレーヤーが参入できるようになります。

先日の発表で話題となった、京都醍醐寺との宇宙寺院の開発がわかりやすい例かと思います。
寺院のように、今までは宇宙ビジネスとは関係ないように思われていた業界が、手軽に人工衛星を活用できるようになります。

インターネットのように、人工衛星が当たり前になっていく道を、今まさに作っているのですね。


※宇宙寺院とは、文字通り、宇宙に浮かぶお寺のこと。
高度400km〜500kmの地球低軌道で運用を行い、約1時間半かけて地球を1周します。
宇宙寺院の現在地情報などは、スマホアプリで確認できるようになる予定です。
今回醍醐寺が建設予定の宇宙寺院は、「浄天院劫蘊寺(じょうてんいんごううんじ)」(以下 劫蘊寺)と命名されています。

【劫蘊寺公式H P】https://www.gounji.space/


取材を終えて

今回、テラスペース(株)/代表取締役・北川氏にお話を聞かせていただきました。
創業の経緯、事業内容やこれからのビジョンも、まさに宇宙ビジネスとわたしたちの日常生活を繋ぐ役割を担っていく姿勢に、とても感銘を受けました。

また、宇宙への関わり方はいろいろあって、昔と違いチャンスも多くなっているし、テラスペース様も挑戦している身である、とおっしゃっていたのが印象的です。
わたしたちコスモ女子も、女性だけで人工衛星を打ち上げるという目標があるので、テラスペース様と同じように挑戦していることが嬉しく思います。

宇宙業界へのさらなる可能性と期待を学べる時間となりました。

今後も、人工衛星関連の企業様へ取材をし勉強させていただく予定です。
ぜひ、お楽しみに。


【今回の取材先】
テラスペース株式会社(Terra Space inc)https://www.terraspace.jp/about-us

引用:テラスペース㈱HP
代表取締役:北川貞大氏
設立:2020年2月4日
事業内容:人工衛星の企画開発


【コスモ女子について】
わたしたちコスモ女子は、株式会社KanattaがSDGs5番目の目標である「ジェンダー平等の実現」をミッションに掲げ、「宇宙を身近な存在に」をテーマに発足した女性コミュニティです。
宇宙に関する専門的な勉強会から、宇宙がちょっぴり気になる初心者でも楽しめるイベントなどを定期的に開催しています。
宇宙に興味がある女性のキャリア形成、ビジョン実現を応援し、たくさんの女性が宇宙業界で活躍できる場を増やすことを目指しています。

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