木村龍 お祝い短歌 メイキング

どちらかというと、詠む時に考えていたこと。
他の方がやっていて面白かったので自分も残してみる。
※元が縦書きなので漢数字を使用。解説はアラビア数字。


振り返すグローブはめた太陽に
 あと五十億笑ってほしくて


・龍を太陽に喩えたかった。
・太陽の寿命は100億年。現在46億歳くらい。
・あと50億年は笑ってて、という恒星級の無理難題。
 ずっと消費したいってことじゃなく、「幸せでいて笑えるくらいに、お願いだから」みたいな気持ちでいるファン。
・「振り返す」=ファンが振ったのに龍が振り返すのも、龍が振った手にファンが振り返すのも含む。どっちからだっていい。どっちも本当。
 この人は龍に笑っててほしくて声援を届けたりグッズを買ったりするのかもしれないし、笑っててほしくて自分も笑うのかもしれない。


五百キロ先のさもない川と空
 大雨浴びた今日へのレスキュー


・「川と空」に「オフショット」とルビがついてるイメージ。
・自分の毎日に関わりのない風景の写真なんて、何もなければスルーするかもしれない。でもこの人は、龍がオフショットで投稿している写真を、大雨降られて疲れた夜に見て、助かったような気持ちになったのかも。
・最近500km以上の引越を体験したので、ぱっと頭に浮かんだのがこの数字だった。
・この歌の「500キロ」と、1つ上の歌(グローブはめた太陽)で出た「50億」という数字、龍の誕生日5/5と「5」がたくさんあったので、ここらへんでなるべく持ち出す数字は5にしようと考える。


先輩がハイタッチなんてしてるとこ
 二軒目 「つい、」ってファンみたいな目で


・数字は5を持ち出そう、という考えを早速無視して生まれた歌。打ち上げの二次会を指して「二軒目」を使ったので、これはどうしても5を使えなかった。
・二軒目に連れ合うくらいには仲良しの先輩後輩が、打ち上げ(一次会)では龍本人がいて話せなかったことを話しているイメージ。
・ライブが終わってハケてくる龍にハイタッチする先輩。後輩は元々やるタイプ。
・龍を見る誰か視点、またの名を「龍と交差した誰か」視点。


水オッケー コードオッケー 龍さんが
 いつしか増えて今日は五人いる


・現場で安全確認を一緒にしてくれるようになったスタッフさんたち。いつも一緒の顔ぶれじゃないだろうから、「今日は」。
 スタッフさんにとっては初めての人でも、龍を見て知って、その人たちは確認を手伝っている。龍のお世話をしてるつもりじゃなく、仕事だからやってる。
・先述の「持ち出す数字はなるべく5」ルールを遵守。


次の人呼ぶ前てのひら心臓に当ててた横顔
 俺だけが見てた


・握手会、お渡し会などのイメージ。
 剥がしさんか、設営さんか。決めずに詠んだ。
・心境的にはもうファンかもだけど、ファンとは少し違う視点から。推してなくても目の当たりにして心が動く瞬間ってあるだろうし。
・過去形。
 この人は龍をテレビで見たり、曲を聴いたり、とにかく今の龍を感じた拍子に思い出したのかもしれない。今ファンじゃなくてもあり。ひととき龍と交差した人。


バースデー配信リンクが出た朝に
 スパサをかけて初出勤日


・スパサ→SPARKLE SIGH。
 この人はこう略している、というだけ。
・没にしたが「新学期、LINE MUSICにスパサを設定して、自己紹介でも話してみようかなと勇気を出す子」の歌を詠んでいたので、この歌も「初出勤日」の言葉に「自分を出していくと決めた日」みたいなイメージをこっそり持っている。伝わらないのでわたしだけのもの。
 これから頑張ろうとしてるんだな、程度のニュアンスが滲んでいたら上々。


そういえば ハザードマップ引っ張り出す
 車内CM 木村が出てたな


・転入手続きの時に貰ったけど読んでなかった資料を改めて読もうとしている人。
・ナゴヤ防災サミットのことを思い出しながら詠んだ。
 わたし個人の考え方や備えに影響があったし、大変お世話になったので、アイドルと防災で何か詠みたかった。
・龍の役目はただの記念ではなく【好きな対象(アイドルとしての龍)】と【今まで深く考えてこなかった分野(防災)】の橋渡し。「そういえば、」で思い出してもらうこと。
・電車内のCMに出てきた男が木村だとわかるくらいのファン。


ゼロよりもプラスワンって笑顔見て
 デスクに待機 徒歩でのマップ


・これもナゴヤ防災サミットのことを想起しながら詠んだ。
 計2冊あるフリーマガジンのうち、1冊目で龍にあてられているテーマ「ゼロよりも『+1』へ」を組み込みたかった。
→フリーマガジンは今からでもダウンロードできる。
 オフライン(=緊急時)でも読めるようにぜひ!
https://bousai758.com/news20220311/

https://bousai758.com/news20221013/


あたしには縁ない色って眺めてた
 オレンジ纏って灯すツーデイズ


・好きなアイドルのカラーだと思ったら、初めての色も勇気を出して身につけられる、そんな人。
 大好きなカラーでペンライトを灯す時の、気が引き締まるような、浮かれちゃうようなあの気持ちは、初めてのコーデに漂う気持ちと似ている気がする。
・詠んだ時には考えていなかったが、きっとこのライブではONE to DREAM!が披露されるんだと思う。


笑いっぱ踊って歌って平然と
 俺に手を振るあいつは誰だ!?


・2023年2月の合同ライブで、エムの演者さんに驚いたり高く評価したりしていた男性Pさんの反応を思い出しながら。龍のパフォーマンスが絶賛されてて本当に嬉しかった。マジでずっと笑って踊って歌ってファンサしてた。
・同性にいいと思ってもらえることはとても純粋な高評価だと思っているので、いいこととして歌に組み込みたかった。
・他のお目当てを見に来たのに龍に突き落とされてファンになる男性ファン、きっと喜ばれるので安心して転落してほしい。


没案、アイディア断片たち
・「RESCUE!! FIRE DEPARTMENT」ブランドからオファーが来る
・消防士を辞めてからもそのブランドのTシャツを買っていて、この度トレーニングのおかげでサイズアップした龍
・大空を洗う大雨
・プロフには別のバンドを載せておく(龍の歌が好きなファンの学生)
・知られたくないけどクラス全員が木村のファンならやっぱこのまま
・プロフ横はじめて買ったアイドル曲自己紹介で話してみようか
・さっきからこけてる声のでかいやつなんか見てると元気にはなる
・センステのずれやすい音こぼさずに「助かりました!」と笑うアイドル

基本は手帳に手書き。
今回の作業用BGMはずっとスパサだった。まぶしい雨上がりをセンキュー!

いつもは本人視点の歌を詠んでいるので、ファン視点は非常に新鮮だった。