4月の日記から

夏物語 完

最後に向かうところで
そうかこれは小説なんだ
と我にかえる
後半は一気に読み進められた
締めに向かって
筋が中心になってきたからかも知れない
彼女の出した結論は
やんわりハッピーエンドに向かっていった
夏ロスになるかと思ったけど
終わってホッとした気もした

ヒトは万物の霊長
ホモ・サピエンスは知恵のある人という意味である
だからただ食べて寝て
じゃ済まないわけで
あーだこーだと考える
ヒト以外は本能で生殖するし
ヒト以外は自死もない
ヒト以外は獲物を必要以上に獲らない。
でもヒトは経済的事情から必要以上に収穫するので、生態系は崩れ、地球温暖化までひきおこす
ファクトフルネスではそこまで切羽詰まってないといい
グレタさんは一刻も早くという

文中の逢沢さんのお父さんの話が好きだ
ボイジャーの孤独
いっそモノになれば苦労はないかもしれない

望んで生まれてくる子供はいないとか
生まれた子どもに生まれる前に戻る選択肢はないとか、
生まれた子の人生がどれほど痛いか(善百合子のように)とか
それは
今、この瞬間にもミャンマーやウイグルで何が行われているかとか
3.11がなんで東京ではなく東北にきたのか
なんで死刑や戦争という大義名分で人は人を殺せるのか
コロナ禍はいつまで続いて
何人かかって何人死ぬのか
と同じくらい
先が見えない不毛なスパイラルで
消耗しかない

昔、ビアフラという地域の
栄養失調の子どもの写真がメディアに掲載され
血気盛んな年ごろだった私は
ぬくぬく過ごしてる自分に
やたら腹立ってた
じゃあ何か持って飛行機に飛び乗りアフリカに行って彼らを救える? こともできない
誰もが簡単に
中村哲医師になれないし
尾畠春夫さんにもなれない

同じ頃『ワイルドスワン』を読んで、主人公が文化大革命の最中、密告制度で親が街中で凶弾されたり、鉄を集めたりビクビクした青春時代を過ごしてる中、海を挟んだだけのこの島で、お誕生会を開いて友だちとケーキ食べてた・・なんて

私のパートナーは気の毒に思って
すべて偶然なんだよ
そこに生まれたのも
そんな目に遭うのも、と言った

偶然という言葉で
納められるかどうか
分からないけど
平和ボケだった日本が、
突然未知の感染症に襲われ
安穏に暮らしていけなくなったのも
原発震災後降り注いだ放射能の量すら分からない東京にいるのも
ジェンダーギャップが121位の日本にいるのも
その範疇かも知れない

『ダーウィンの悪夢』
『海は燃えている』
それ以降、
わたしはこういった映画を見るのを止めにした

哀しくも
体力がなくなってしまったからだ

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