トーキョー ハ ヒトリ 朧月を踏みつける 水星に旅に出た君のこと 脳裏に一輪挿ししてみたり そこに群がる蝶たちが 必要以上に青いこととか そういう固体か気体かも分からない、感情だけが 「トーキョー」 だった
もしも詩集が言葉の羅列なら、私の人生は呼吸の羅列で、OとCO2が交差するだけの現実は虚しさの羅列でしかない 夜空を徘徊するお年頃だった、あの子の姿はいつからか見えなくなった。消えてしまったのはあの子か、私か セブンティーンアイスが溶けきる頃に世界は終わり、生きることを選ぶことすらしない私は、それでも歩道橋へ浮遊し、小さく呼吸を遂行する。月を見上げ、くたびれた百円ライターで濃紺の夜に、幽かな火種を宿した。 いつかここには昔、川が流れていたのだと、誰かに語ることはあるだろうか。
「幸せになってね」 それは、「他人」に贈る、最上級の花束である。そして、私がこの世で最も言われたくない言葉のひとつだ。 大切な人にその烙印を押されたにも関わらず、いつまでもその人のことを「他人」にすることが出来ない私の一方的な感情は、愛を語る上であまりにも歪だった。 愛し方も愛され方も分からない私が愛を語ろうとすることが、そもそもの誤謬だったのだ。 夜は長い。 時間も細胞活動も、進んでいる気はしない。 こんな私も、いつか幸せになるかもしれない。だけど、そこに君はいない、た