反社会的勢力はなぜ日本に多く、増え続けるのか(3)

政治家との関係は・・・
 
今の政治家は政治資金規正法があるので、安易に出所が不明な資金を提供してくれる人とは付き合うことは難しい。そこで、この話題に入る前に、反社の接近の仕方について見て行きたい。

全くの偶然で遭遇した話・・・そのⅠ
 反社と思われる人達が、私の知人三人に、全く別々のタイミングとシチュエーションで接近してきたことがある。この人達は、今はやりの仮想通貨で儲けたらしいのだが、恐らくそのお金をどうキャッシュ化するか(つまり、マネーローンダリング)、このお金を使って更なる事業を展開するか、を考えていたらしい。
 一般に、こうした人達は、外見はきちっとしたスーツ(男でも女でも)を着ていたり、頭も確りとセットしているなど、身だしなみが良くて、外見からは全くその世界の人だとはわからない。但し、思い通りに行かなかった時の愚痴のような言葉が、普通の人は使わないような汚い表現であったりする。
 従って、全く接点を持たないようにするのは非常に難しいので、仮に付き合いを始めた場合、違和感を感じたところで、直ちに、相手を怒らせることなく関係を疎遠にする行動を取る必要がある。これにもやり方があると思うので、今回を含む三つの例を書いた後に検討したい。
 さて、なぜ三人にアクセスしてきたかがわかったかと言うと、その中の一人(Aさん)に相談を受けたのだが、私はその相手の人達を知らなかったので、もしかしたら別の知人(Bさん)が知っているかと聞いたのが始まり。仮想通貨の世界だから、その関連の人に聞くのが良いと思っただけのことだった。
 すると、BさんはSMSでお友達になりたいというようなアクセスがあったが、怪しい人達だと直感したので放置しているとの返事だった。次に、海外にいる別の知人(Cさん)に聞くと、彼はこの人達と一緒に仕事をする積もりだということだった。

怪しいと分かった際の対応について
 結局、証券関係者に聞いたところ、Bさんの直感が正しかったので、我々は、その人達だけでなく、Cさんとの関係もゼロにせざるを得ず、あとはAさんがその人々との関係を持たないことを祈るばかりだった。
 ここで難しいのは、名誉棄損になるリスクがあるため、相手が確実に反社をわかった場合でも、そうは言えないことである。
 これは、最近、テレビのニュースで報道され、X(旧ツイッター)であれこれ言っている人達がいる、ハワイで入国拒否されて送還された日本人女性の話に似ている。この女性は、実は「なぜ入国拒否されたか」がわからないのだが、それと同じで、拒否した側は絶対にその理由を話さないことが重要だ。
 金融機関がKYCをする場合であっても、その結果として取引を行なわない事となっても理由を言わないのと同じだ。資金移動業者や前払式支払手段提供業者なども、取引を行なわない場合であってもその理由を相手に伝えることはない筈だ。
 問題は、自動で取引をする仕組みになってしまっている場合で、突然、巨額な送金依頼がきた場合に、どう対応するかである。これも相手に悟られないように取引をフェイルさせるしかない。
 万一のリスクは、理由を相手に伝えてしまった場合の名誉棄損の問題に加えて、相手が極道に近い反社の場合には身の危険がある点である。
 従って、兎に角、接点を持たない、仮に持ってしまってから怪しいと思った場合には、自分が馬鹿になるなど、相手が自分から離れていくような方法をとることが最も良いのではないだろうか。世間は広いので、限られた人たちから馬鹿だと思われても大した問題ではなく、それよりも家族までリスクに陥れることを避ける選択をすべきだろう。

全くの偶然で遭遇した話・・・そのⅡ
 
次は、ある程度付き合った後になって、その相手の家族が反社だとわかった例である。今回は仮想通貨ではなく、飲食業をやっている人だった。飲食業は無銭飲食者など迷惑行為を受けることがあるので、これへの防御として警察だけでなく、地元のヤクザ(この場合は良いヤクザと言うべきかもしれない)と付き合うことがあるらしい。
 今回の知人(Dさん)は、お父さんが始めた飲食業の商売を継いだのだった。お父さんは中卒で立身出世の人だったが、そのために何度も人に騙されたとい話も聞いたことがある。現場感覚で、反社というよりも、自分の利益を奪う人を嫌っていた。現在で100歳を超えるような世代には中卒は決して珍しくはなかったと言われているようなので、世間ではよくある話なのかも知れない。
 ところが、その子供であるDさんが結婚した相手の実家が反社だった。しかし、伴侶の人もどう見ても普通の人で普通の話方をするので、そんなことは第三者から聞くまでわからなかった。
 これを教えてくれたのは、メディアの人である。
 メディアと言えば、島田紳助が反社と交流していたということでテレビに出なくなってから久しいが、誘惑が多い業界なのだろう。成功すればするほど誘惑が寄ってくるのかも知れない。
 さて、Dさんの場合は、本人に虚言壁があるため、その嘘をつくのを待って、これでは付き合えないね、という感じで離れていくことができた。兎に角、反社は思わぬところに存在する。この場合は、反社というか暴力団という感じだったので、警察の人にも相談した。それが良かった。結局は、今では関係を絶つことができている。

全くの偶然で遭遇した話・・・そのⅢ
 
ここからは次回に譲ることとしたい。



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