素朴な疑問ー世の生理学好きな方々へ

網膜で光波が電気信号に変換される仕組みについて

光波→水晶体を通り網膜の中の光受容細胞(桿体・錐体)で電気信号に変換→神経細胞(水平細胞、双極細胞、アマクリン細胞、神経節細胞)→視神経繊維層を通じて視神経乳頭→視神経(神経節細胞から伸びる軸索の束)→脳の視覚野

おおまかにこの順のはず

しかし、
位置関係として、光が来る方向から見ると、視神経線維層・神経節細胞・アマクリン細胞・双極細胞・桿体錐体、となっている。
光波が入ると、言い方には語弊があるが一度視神経他をすべて通過してから網膜の一番奥の桿体と錐体に到達して、そこで電気信号に変えられ、そしてその電気信号がもう一度網膜の表面の方へと伝達されていく…ことになってしまう。
光波が桿体や錐体に届くまでに諸々の神経細胞やら視神経の束があったら邪魔ではないのか(邪魔だとかいうレベルの邪魔ではないのはわかるのだが…)。
寧ろ、強い光が来た時に僅かなりとも守る役割でもあるのか?
はたまた、網膜の後ろ(眼窩側)から視神経の束が出ていたら、眼球を動かす時に嵩張って邪魔になり動かしにくいから、眼球の内側を通してなるべくコンパクトにしてから盲点からコード(視神経)を出しているのだろうか。
いや、どうしてこういう仕組みなのかなど、神に聞かなければわからないだろうけれども、何か仮説があるのだろうか。


そして、視細胞からは常に視神経側にグルタミン酸が神経伝達物質として放出されているが、これは光が強くなるとその放出速度が遅くなると、今回初めて知った。
とすると、つまり端的に言えば信号が弱くなるほど、明るいと判断するということになる。つまり、あまりに危険なほどの光が来ると、グルタミン酸はほとんど放出されないほどの状態にもなるということか。つまり、これは守るためのシステムか。

外的刺激を感覚として検知する最小単位を絶対閾と言うが、私は、これがあまりに大きな刺激で大きすぎるがゆえに逆にわからなくなる最大の値もあるのではないかと、素朴な疑問を抱いていた。ピタゴラスの、宇宙は巨大な音、宇宙の音楽を奏でているというような話が好きだったから、支持したかった。
だが、あまりに大きな音波が鼓膜に届けば、その閾値に達する前に鼓膜が破けてしまう。あまりに強い光波が来れば、網膜が焼けてしまう。
だから、もしそのような値があったとしても、物質的な身体の方が先にやられてしまう。イカロスの翼ではないが、実験不能であるために理論が立たない。

しかし、このグルタミン酸の話は面白い。あまりに強烈な光を見ると、グルタミン酸の放出が止まり、検知自体をしなくなるかもしれないわけか。とすれば、絶対閾の反対、刺激を検知しなくなる最大の値があるかもしれないということになる。

網膜は焼けてしまうのかもしれない。しかし、シナプスに伝えなければ、脳は守られる、というシステムか(無論、別の意味で結局脳も身体も無事では済まされないかもしれないが)。

いずれにしても、神の御光を直接見ようとすればイカロスの翼のように焼けてしまうのではあろうが、しかし、これは面白い…。
見ようとすれば燃え尽きるかもしれない。だが、既にここに神の強烈な御光に包まれているかもしれない。人間では検知しきれず振り切れてなかったことにしてしまうような、大きな宇宙の音楽が奏でられているかもしれない。


更にもうひとつ、また別の疑問がある。
グルタミン酸は暗所で常時活発に放出されているわけだ。
では、眠っている時は?
眠っている時も、グルタミン酸の供給が行われ続けている?であれば、何のために?
また、眠っている時は夢を見る(眠っておらずとも、催眠をクライアントに施している時、目を閉じようが目を閉じまいが、イメージを”本人の自覚の中では視覚イメージとして”見せることができる)。
これに、グルタミン酸による信号が関係しているのだろうか?
目を閉じている時、または催眠下にある時(目を開けていても)グルタミン酸の放出が大量に乱れて、”視覚情報”として、脳で知覚するのだろうか?

私は、これ(夢や催眠による”視覚”イメージと呼ばれるもの)は眼球の信号や情報とは全く関係なしに、脳側だけの問題だと思っていたのだが。


私は生理学者ではないので、ここまで追究する必要はないのだろう…。
しかし、実際臨床になれば、夢の話、催眠イメージの話から、宇宙の壮大な音など哲学的・天文学的・量子的な話に繋がってくる。
そして、表面的イメージ的な理解であればあるほど、やはりどうして光が一度網膜を一番奥まで透過して、一見すればわざわざまた戻るような形で、しかも光波を理解するためのものなのにその光波の行く手を遮るような形で視神経が位置するのか、動線として非効率ではないかと素朴に思ってしまう。

一度面白がり出すと、気になってしまう。

同じくご興味をお持ちの方、有識者の方、おられましたら、非常に素人的角度からの疑問かもしれないとは思いますが、ご意見、ご教示賜ること叶いましたら、幸いで御座います。


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