つらつら
気付けば9月も3週間が過ぎようとしている。
9月20日水曜日。ロングコートダディがキングオブコント準決勝を欠場することがニュースになった。
“欠場”を文字で見たときは一瞬すんっと虚無になった。でも、これもまたロコディの進む道だと思って割とすんなり受け入れられた。
「申し訳ない!来年また出ます!切り替えて水族館行きます!」
堂前さんのツイート。誰よりも早く来年の出場宣言をしている。「こぽぽ水中」のコントから勝負するつもりでいたから水族館なのだろうか。なんとなく本当に水族館に行かれてしまうとあの珠玉のネタたちが供養されそうなので、最後の一文はどうか冗談であってほしいと思った。
実際のところ、日曜日に諸々の休演が発表されて堂前さんが「大阪休演申し訳ない!」とツイートした時点で「あっ(察し)」だった。何日まで厳しい状態になるのかおおよその目安を計算してしまい、もう水曜日には間に合わないとうっすら分かっていた。
誰よりも本人たちが悔しくてしんどくて思い通りにいかないどうしようもなさの中で苦しい決断をしたと思うので、せめてこの状況をできる限りポジティブに捉えたいと思った。
ロコディは楽しむこと、自分たちの好きなことを大切にしていることがこれでもかと伝わってくるので、賞レースも他の仕事もなんでも、2人のペースやタイミングでいいと個人的には思っている。その“楽しい”の先に賞レースの優勝があればそれが一番理想的で、それがたまたま今年のキングオブコントではなかった、というだけだ。
なんなら今年のネタを温存できた分だけ来年のロコディは強いと勝手に思っているし、2人の“楽しい”の先に優勝がある世界線も勝手に見据えている。未来もきっと楽しい。
9月21日木曜日(準決勝2日目)。堂前さんがいつものようにInstagramにアップしているハフちゃんの動画にこの日付けた曲の歌詞がふと耳に残った。
今のロコディとリンクするような歌詞。堂前さんがそれとなく自分の心境を伝えて、そっとファンの心中に寄り添ってくれているのではないかと思った。
ちなみにこの曲は「どうにもならない今日はせめて 笑い話にかえられますように」とも歌われている。いつかそんな日がくるといいなと心から思う。
話は遡ること8月26日。有楽町シアターで「トークテーマを仲良し芸人達が考えたライブ~ロングコートダディ編~」を見た。
ロングコートダディが2人だけのトークライブをすることはこうした劇場の企画でもない限りほぼなく、2人のフリートークを聴けるような場もないに等しい(ゲーム念仏はゲーム配信として捉える)ので、これは希少。このトークライブがロコディ最後の有楽町シアター出番でもあり、その場に居られたことが嬉しかった。
以下、現場&配信で見た内容を書いたメモ(ネタバレあり)。
冒頭、兎さんのパーマの話題。曰く、パーマは賛より否の方が多く、無(ノーリアクション)も多いと兎さん。「ぴっぴっさんぴっぴぴっさん、む」とリズミカルに言う兎さんに「モールス信号みたいに。笑 賛否無三論」と笑う堂前さん。ちなみに会場のお客さんはパーマ「否」が多かったものの堂前さんは「俺は全然賛」と相方のパーマを褒めていた。
なおパーマはコントにも支障が出てきていて、野球部のロッカーのコントで「いいよな、次期エース候補は」という台詞が兎さんに合わなくなってきているそう。堂前さん曰く「デブのパーマが次期エース候補なわけない」。一方、ドラフト会議のコントではオチが「岡山ビューティーモード」(実際に兎さんが行っていた専門学校の名前)で奇跡的にパーマでもセーフになっている。コントの話をするロコディはまさにコント師って感じで良い。
仲良し芸人からのトークテーマと内容(簡単に)。
【ビスケットブラザーズ きん】旅行の思い出などを話して頂きたいです。
ロコディ2人、きんちゃんを含めた仲間内の旅行を振り返る。兎さんも堂前さんもある程度エピソード記憶があるようで、同期の話題などを懐かしんでいた。共通の思い出を語る2人はさながら同級生のよう。なお、2人が話していたブランコの写真をきんちゃんが今でもTwitterのヘッダーにしている。
【蛙亭 イワクラ】休みが3日あったら何しますか?
「うわぁ、たのしみぃ〜!」と堂前さん。曰く、プライベートでマカオに行きたいとのこと(初マカオがラヴィットのロケだったものの、単独ライブ前でそんな状態ではなかったため。)
兎さんは当然のように「釣り旅行」と。堂前さんが「釣り旅行って釣り以外に何するの?」と何気なく質問したところ、語りたくて仕方ない様子で目をバキバキにして堂前さんに近づいていく兎さん。思わず舞台袖に逃げて「殺されるかと思った・・・殺人ピエロや」と堂前さん。笑った。
【男性ブランコ 浦井】海や川など水辺での思い出は?(こぽぽ水中を配信で見ました報告を兼ねた質問)
堂前さんは福井の川、兎さんは岡山の海(と新喜劇の坂田利夫さん)の思い出。
【滝音 秋定】もし、どの職業でも一流になれる才能があったら何の仕事をしたいですか?
堂前さんは漫画家、マジシャンなど挙げていたけれど最終的に動物園の園長にたどり着いていた。子どもの頃の将来の夢遍歴は「体操選手→デザイナー→動物園で働きたい」だったそう。兎さんは最近見てカッコよかったのでバスケの選手。
【石井ブレンド】食へのこだわりはありますか?
「なければ変顔をお願いします」と質問にあり、すぐに変顔を披露していた堂前さん。あまり食へのこだわりがなく、好きな食べ物は「ぬれている食べ物」「冷やしうどん」。温かい食べ物は得意ではなく、食事はテンポよく食べたいそう。曰く、本質的に食がそこまで好きではないような気もしていて、早く食事を終えて次のことをしたいと思うこともあるのだそう。兎さんは真逆で、食が一番。食べているときは「この時間よ永遠に終わらないでくれ」と思うそう。
どうやらロコディは「生きるために食べる」と「食べるために生きる」のコンビ。堂前「食べさせてあげななぁ、おいしいご飯を。いっぱい。」兎「稼いでくれるってこと?」堂前「飯の機会をちゃんと与えていかないと」兎「機会は自分で作ってるから」というようなやり取りをしていて、それがいかにもロコディっぽくてほほえましかった。
ここで兎さんが残りのトークテーマ数と時間を気にしていて、堂前さんも腕時計を見る流れに。兎さんが「新しい時計買ったよね?」と近寄って堂前さんの新しい腕時計を覗き込んでいた。兎さん「カッコいい。前の時計もカッコよくて好きやった。金色の丸いやつ。あれいらんのやったら…」と、普段時計をつけないのに相方のものを欲しがっていてほほえましかった。
【シカゴ実業 山本プロ野球】ルームシェアの思い出を教えて
兎さんとポイさんのルームシェアの思い出は堂前さんもあまり知らなさそうだった。堂前さんとポイさんのルームシェアの思い出はやはり?ハフちゃん失踪事件。兎さんがDポイ家にきたときに勝手に食洗機をあけてピーピー音を鳴らしてた話がちょっと面白かった。
【大自然 ロジャー】俺がロングコートダディに加入したらどんなネタになりますか?
ロジャーさんのいい声を使う派の兎さん、逆に使わない派の堂前さん。
【ニッポンの社長 ケツ】ケンカしたらギリギリ勝てる人は誰?
堂前さんは兎さん、兎さんは堂前さんという結論に。お互いにお互いをケンカしたらギリギリ勝てると思ってるところがほほえましい。
「余裕で勝てるけどな」とちょっとマウント取っちゃうけど「堂前でいいわ」に落ち着くところが兎さんらしい。
【マユリカ 中谷】割愛。下ネタしりとりで盛り上がっていて、中谷さんらしいお題提供だった。
仲間からのトークテーマは以上。
最後に兎さんが「トークライブやればいいやん」的なことを言ったら堂前さんは「あんまりしたくない」とちらっと。なんとなくだけど、兎さんは割と話すのが好きで、堂前さんは逆というか。自分の思いや考えは直接的に話すよりも書くかネタにするか、なんらかの形で表現する方が好きなのかなと思ったりする。こういうところもコンビで上手くバランスが取れている。
会場で見ていて、自然体で和気藹々で大好きな2人がそこにいたことが何よりもうれしかったのだった。またいつか、こんな風にライブでロングコートダディを楽しめますように。
3500文字。
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