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KPOP MV偏愛史 Girls' Group Vol.2

KPOPMVの好きな所をただただ話す会、ガールズグループ第二弾です。
前回はSM王道の少女時代とレドベル!今回は同じSMエンターテインメントのf(x)と、IZ*ONEです。
私の大好きなWJSN(宇宙少女)も入れるつもりでしたが、好きすぎて一生終わらないので笑、次回に回します…

f(x)
→SM異色のガールズグループ

'Red Light' (2014)
★★★

f(x)は正直あんまり詳しくないです。最近いろいろ調べて改めて魅力的なグループだったんだなと思いました。RedLightは公開当時、好きな世界観だなーと思い、f(x)が気になるようになったきっかけのMV。このnoteを書くにあたっていろんな方のMV考察を調べまくっていたら、複数の映画のコンセプトを混ぜ合わせて作ってあるようで興奮しました。『Matrix』『時計仕掛けのオレンジ』など、どの映画好きの人はもれなく好きなんじゃないかな。
映画をKPOPのMVに昇華するとどうなるのかの一例としてこれはとても良い作品だと思います。モチーフ・色の意味など全部が凝っていて好きです。
↓この記事がとてつもなく詳細に考察を載せていらっしゃるので、是非見てみてください。すごいです。

・スタイリング
コンセプトは好きなんですが、個人的には衣装がカジュアルすぎる気がします。もうちょいひねってミリタリーにレドベルのPsychoっぽいモノクロ・ゴスっぽさを足すとか、ジュエリーとか私だったら付けたいかなあ(何様)

'4 walls' (2015)
★★★★

これは公開当時の私には主に3つの点で相当印象に残りました。
①メンバーが1人脱退後、満を持して発表された曲であること、
②ダンスシーンがMVには全くないこと、
③なのに曲も振り付けも印象的であること。 
全体的に垢抜けていて完全に洗練されているイメージです。

・映像
ほぼ映画あるいはバンドなどミュージシャンの普通にストーリー性のあるMV。原因を考えると、一番は「カメラはメンバーを取るのではなくストーリーを捉えている。あくまでメンバーはストリーテリングの道具=俳優的役割として映っている」ということかなと思います。
具体的にはアイドルの最大の商品である「顔」をアップで映すカットが少ない、カメラが手持ちで躍動感・ドキドキ感をだしている、画面のアスペクト比変化を効果的に使う(1:1→シネマスコープの横長)というところかな…

・ダンス
この曲はおそらく腕を酷使するタイプ。笑 衣装が裾が広がっているワイドパンツで上がタイトで、腕や手の動きに意識的にフォーカスが行くようになってると思います。また曲線より直線的な腕の使い方ばかり。サビの腕をクロスさせるところや、間奏などで一列に並ぶ連携ダンスが超均等にそろっていてとっても美しいです。。これは真似しようと思ってもできないやつ…。メンバーの個性よりも全体でどういう風にコンセプトをうまく伝えられるかに究極的に焦点が置かれている気がする。

↓こちらもRedLight同様考察記事を最初に読みました。

・おまけ  'Pink Tape₋Art Film'
F(x)に主に関わっていたSMの方の意向で作られたらしい、コンセプトフィルム。ティザーとはまた違った立ち位置。。最初にメンバーの英語モノローグが入るところとか、めちゃくちゃガールズムービーとか日本のガールズムービー的志向があってとても親近感がわきます。普通にカワイイ、けどBGMの不安定感がいいです。。ソフィアコッポラの『ヴァージンスーサイズ』やトルコの『裸足の季節』っぽい。
この映像の存在を知ったのは↓の記事になります。めちゃくちゃ面白いです。

IZ*ONE
→期限付きだからこその革新劇

IZ*ONEは、日韓合同のPRODUCE48というオーディション番組で結成され、2018~2021年の限定期間で活動していたグループ。AKBグループから3人。やっぱり日本人メンバーいるグループは気になりますね。
オーディション番組はメインの曲から大衆っぽいポップさの前回でしたが、いざデビューすると最初のMVからかなりおしゃれ路線で感動しました。動画はすべてStone Music Entertainmentから出されているのでそこの方向性なんでしょうか。ていうかIZ*ONEが終了したから同じStoneのEverglowがやっと新曲出したんですかね。。

'La vie en rose'(2018)
★★★

・コンセプト的ポイント…すべてのアイドルのデビュー曲の中で、これほど「私は大勢から勝ち抜いて華のデビューを果たしたんだ」という刹那のキラキラ感が歌詞、映像、メンバーの目すべてからあふれている曲はないんじゃないでしょうか。このグループの一番の特性である「活動期間が決まっている」ということを強く意識させてくれます。デビューした=始まったということはいつか終わる=解散が必ずあるということ。そうやってみると彼女たちの緊張した表情も超切なく見えてくるんですよね…。

・映像…パステルを基調としてバラの赤をアクセントにメンバーそれぞれでモチーフをくっつけていく王道タイプ。それぞれのモチーフには、このオーディション番組によって(実情は血が勝ったみたいですが)彼女たちが選ばれたことや、その中で願い叶わず零れ落ちていった多くの練習生たちがいたことを暗喩しているものがあるようです。

・ダンス…Bメロのウンビの上半身の使い方が好き!そして宮脇プロの「La vie en rose」の数秒で全員をキルさせるほどの破壊力を持つ美しさ。彼女はデビュー曲の時期ほぼ毎日泣いていたとラジオで言っていたので本当に努力したんだと思います。ほんとすごい。

'Violeta'(2019)
★★★★★


・コンセプト…MVのセット・スタイリング・曲・ダンス・メンバーのビジュアルすべてが好き。しかも4月にカムバックだったのでさわやかで豪華な春のお知らせという感じでカムバック時期とコンセプトがばっちりあっていたと思う。そして当時私が強烈だったのは「ミンジュかわいすぎでしょ」でした。もう全員のファンが思ったでしょ。一国が建設されそうなくらいめちゃきれいなショット。

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・映像…デビュー曲よりも各メンバーをドアップでしっかり魅せている。光や照明と色の加減を相当意識的に使わないと撮れなさそうなカットが多い気がする。色はスミレの淡い寒色系で常に統一されていてもうほんとにカワイイ。大好き。笑

・スタイリング…この曲では、MVと同様衣装は水色系とパステル系の二種類がありますがパステル系が断然好きです。淡い色にチュールやキラキラを使った妖精ぽさ。メンバーの髪色もよい。そしてサムネの宮脇プロ完璧。

・ダンス…基本お花の花びらや咲くイメージから作られていると思うので、柔らかな曲線的なものが多い。私はバレエやってたんですが、バレエ的な手の使い方が多いと思います。(幻想童話のサビとかもそう)
ほぼ全部の振りが好きなんですが、おそらくダンスというより歌や音のニュアンスに忠実に振り付けているからなんだろうと思います。だから見ていてすごく気持ちいいんですよね。
・一番のAメロ:ウォニョン、サクラ、ミンジュの流れが超良い。
からのチェウォン、なこと2グループに分かれて畳みかけるので気持ちも盛り上がってくる
・Bメロ:1番ウンビ、2番ユジンのダイナミックなパート。全身を使ったかっこいい振り付け
・サビ:何よりもサビの振り付けが伝説だと思う!1番の腕を大きく使う振りから、2番もおんなじだろうな~と油断していたら、なんとゆっくりになるっていう!衝撃的。緩急の使い方プロ。

・歌詞…La vie en roseもうそうですが、IZONEはかなりファンに呼びかける意識が歌詞に強いですね。そしてそのメッセージは集約すると「私たちを輝かせるのはあなた=WIZONEだよ、一緒にもっと輝こう」という感じでしょうか。これももしかしたら秋元康的DNAが入ってるのかな…(AKBはアイドル側がファンの恋心を「僕」という男性人称で代弁するという方法ですが)

'Fiesta'(2020)
★★★★

・映像
アスペクト比を変えすぎです。グザヴィエドランか!って突っ込みたくなった。サビの10秒前から正方形になり、サビ始まりから一気に全画面になるのはかなり秀悦だが、2番からのシネマスコープ⇔全画面の行き来が激しくてそっちに意識がいっちゃう。
セットは相当お金かかってるんじゃないかってくらい豪華。真ん中の月のセットも、周りの色使いもすき~

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見覚えのある絵画が出てくる。"Composition VII"  ワシリー・カンディンスキー 1913年でした。有名な抽象画で、主題は画家によって明確に定義されてはいないものの、交響曲的だーとか、最後の審判との関連性の指摘がありました。祝祭っぽいちゃぽいですね。(もっと深い意味があるのかもしれない)

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サクラの宇宙が背景のシーンはきゃりーちゃんのMV的で戸惑った。①被写体を真ん中において惑星のように回転させたり、複製したりするシーン ②バキバキに踊るキャラクター がきゃりーちゃんのMVと一緒じゃん!と叫びたいんですが誰か共感してください。

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・モチーフ
ずっと丸。どこ見ても丸い。すべて丸いか曲線です。丸を意識してみるとほんとに全部丸いですよ。

・スタイリング…メイン衣装はスカートにチェックがあって少しAKBみを感じる。サビあたりの足をクロスさせるダンスの時にスカートがふわっとなるのがかわいくて〇

・ダンス…Violetaよりはかなり激しくなった気がします。Violetaほどのキャッチ―さはないが、手ではなく腕を、ひざ下ではなく足全体を動かして踊るので運動量的に相当変わってるはず。

'Panorama'(2020)
★★★★

IZ*ONE最後のメイン曲。後悔されて最初に見終わった時、「あ、これ完全にラストの曲だ、これで終わりなんだー」と思いました。解散するのはいつでも悲しいですが、ここまで受け手に「私たちは終わりを迎えます」というのを宣言していくスタイルも、潔くて刹那的で結構好きです。突然消えるより全然ポジティブに記憶に残るし、かっこいい。

・映像

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もうこの最初の1秒で好き。基本的にPanoramaという題名のように、モチーフはすべて"記録し映すもの"に関連したものばかりが出てきます。カメラや映画などに関連するものですね。

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数秒後のこのタイトルショットも超絶美しいです。センスいい…

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ダンスシーンには誰も座っていない客席。ファンの存在を表しているのかな…

・スタイリング
モノクロバージョンとFiesta的カラフルバージョンの主に2パターン。Panoramaは衣装がめちゃくちゃカワイイ。すごい凝ってると思う。

・ダンス
ダンスはもうキレキレ。まさか数年前にVioletaを踊っていた人たちとは思えないくらい過去一激しいと思う。それは振り付けだけでなく、「大人数だからこその移動の大変さ」を含め。。
Panoramaに関してはいつも私が見ているKPOPのダンス解説者のダンサーARATAさんの動画を載せておきます。これを見ると、いかにPanoramaが緻密に振り付けられているかがよくわかってよりそのすごさを味わえますよ! 

一点だけ触れたいのはやっぱりBメロかな…今までのすべての曲のポイントダンスを踊っていくところ。もう明らかに振り返りをしちゃっているのでラストってわかる。

・歌詞
一言で言うと、「終わりじゃない、永遠に残るように今この瞬間を残そう」ですかね~~ああ泣ける。
すべての歌詞が読みごたえがあり、恐らく相当練って書かれている気がする。「思い出すと伝えきれないくらいには濃く、後悔ももしかしたら残ってしまった今までの活動だった。でもだからこそ出会えたあなた=WIZONEととは、IZONEの活動が終ってもずっと応援していてほしい。」的な。
最後のウォニョンが強烈で、"Don’t let me down down down"っていって突然ブチっと終わるんですよね。「がっかりさせないでね」って、完全にそういうこと(IZONE終っても応援しろよ!)ですよね?すごいよね。これを本人たちが歌うってことは、もう完全にIZ*ONEに対しての区切りがついていないとできないでしょう。これは彼女たちにしかできなかったんだなと歌詞によって改めて思わされる。


第2弾は以上です!まだまだ知ってるのあるからこの調子で行くと何個記事書けばいいんだろうって途方に暮れております…でもやっぱりこうやって調べるとKPOP奥深いなあというか、どれだけお金と人員が投入されているのかがよくわかってさすがやなあと感心しました~~。

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