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自主制作映画監督ドキュメント2

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「みんな働いている」

自分は、普段はフリーのグラフィックデザイナーをやっています。
が、午前中は、宅急便の配達のバイトをしています。
今年の夏は、また格別に暑くて辛かったです。

まあ、53のおっさんが、自主制作の映画を撮りますとなると、
「お金に余裕のある人の趣味かー」と思われるんでしょうが、

すいません。めっちゃ貧乏です。

フリーって稼いでるイメージがあるでしょうが、

マジで立つ瀬がないくらい稼げていません。
それでも、自主制作映画撮っちゃう。

だって、映画だけやってるんでしょ?と言われそうですが、
映画のことだけやってられるんだったら、もうプロと名乗るよ!って感じで、

ふつうに、働いているわけです。
バイトもして。

いやー、残暑もきついし、夏なんかすごい面倒くさいですよ。もうね、バイトから帰ると、汗がね。ほんと絞れるわけです。比喩じゃなくて、制服絞ったら、じゃーって汗が出る。すぐ洗濯してシャワー浴びて、洗濯物干して…が夏のルーティン。

だから、夏場は、直接荷物に触りたくないんです。段ボールの荷物に、触ったところに汗が滲みて、ごわごわになっちゃう。「宅急便でーす」ってチャイム鳴らしたら、早く出てくれないと、汗でダンボールがぼろぼろになるうーって、いう感じ。台車は、暑い季節は日陰に停めるようにするので、もう配達エリアの日陰の位置とかに詳しくなったりしてね。

台車をごろごろ押してる時に、クライアントさんから電話もあって、
クール便の冷凍の荷物が溶けないか心配しながら、電話に出て、
「紙は90kg以上の方がいいですねー。折り込みするなら73kgでもいいかなー」とか言ってるわけです。すいません。
汗をだくだく掻きつつ、スタッフからのLINEにも答えてね。
「うわあああ」とか言ってます。
うわああ。
今月も入金がないいい。うわあああ。

前に、キャストとスタッフを募集した時に、
ある人がスタッフに、と問い合わせをくれたのですが、
「僕は本業があるんで、空いている時間だけでもいいですか?」みたいな内容があって、「自主制作映画なんで、スタッフもキャストもみんな本業を持ってますよ」と、「みんな条件は同じだよ、一緒に楽しみながら頑張りましょう」というつもりで返したら、返信がこなくなりました。

(まあ、監督がなんでもやってるから手伝ってほしい!って書いたから、大変そうと思われたんでしょうが)

やっぱり、世間的には、自主制作映画というと道楽とか趣味とか、余裕のある感じで見られてしまうんですね。サークルの活動的な感覚なのかな? 
みんなでワイワイと楽しく映画を作る現場に混ざってみたい、ということなんでしょうか?

少なくともオレのチームは、みんな本業も忙しい中、
時間を割いて参加してくれている方が、ほとんどです。
みんな、働いているのです。

実は、自分も、以前は「創作は趣味」と思っていて、仕事とは別物だから、お金をたくさん稼げたら撮る!って思ってましたけど、それでは、いつまで経っても、制作する機会が無いんですよね。

作る時は、本業もそこそこあったり、下手すると、忙しい時期に被ることもある。
役者さんなんか、いろんな予定の隙間を縫うように、予定を組んでいるし、
結局、本気で取り組まないと、いつまで経っても撮れないのです。

逆に、腹を据えて取り組めば、撮れます。

映像方面に進出しようとしてる方は、今、すごく多いと思うんですが、
映画は、中途半端な片手間では撮れないと思います。YouTubeのドキュメント映像と違って、完全なフィクションで30分以上の尺を撮るとなると、
結構な手間暇がかかっちゃうんですよね。内容にこだわらないのであれば別ですが、自分のファン以外にも観てもらおうと思うと、色んな人の手を借りるから、大変ですよー。

でも、誰からの命令や指示でなく、
自分のオリジナリティを発揮して、本当にやりたい世界を構築するには、
映画というメディアは、すごくいいと思います。




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