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最東端の根室本線、最北端の宗谷本線

ご覧いただきまして、ありがとうございます!
タイトルの詳細は、解答・解説の部分にて記載しています。

「勝手に鉄道検定」は、下記のような鉄道利用に関する不安を解消するために始めた企画です。

「どの路線がどこに行くか分からない」
「この名所はどの駅で降りれば近いのか分からない」
「目的の駅を通過する列車に乗ってしまった」

鉄道に自信がある方には「知識の整理」として、鉄道に自信がない方には「安心して鉄道を利用するためのサプリ」として役立てば本望です。
「勝手に鉄道検定」の過去問題の一覧は、こちらをご覧ください。

勝手に鉄道検定:アーカイブ(一覧)

以下の部分から、「概要」「出題」「解答・解説」となります。
初めての方は概要から、以前から「勝手に鉄道検定」をご覧いただいている方は出題から、前回の記事から遷移してきた方は解答・解説からご覧になることをおススメします。


勝手に鉄道検定「概要」

勝手に鉄道検定は、冒頭でお伝えしたような鉄道利用に関する不安をクイズの形で解消していくことを目指した企画です。
1日1問、鉄道利用に関する不安を解消するのに役立つ問題鉄道や旅行などに関して興味が湧くような問題の作成を心がけています。

自分の周りにも、鉄道利用に関する不安を覚える方はいらっしゃいます。
もちろん、無理強いをするつもりはないですが、そのような方が1日1つでも知識を増やすことで鉄道利用に関する不安が少なくなれば幸いです。

感覚のズレなどから、あまり有用でないと感じる問題もあると思います。
そのような問題を少しでも減らせるように、問題のクオリティ向上更なる知識の拡充に日々努めていきます。

勝手に鉄道検定の記事は、出題&前問の解答・解説が基本的な構成です。
この記事では、

・問130の出題
・問129の解答・解説

を行います。
「勝手に鉄道検定」の動機について、より詳細に知りたい方はこちらの記事もご覧ください。


問130の「出題」

【問130】2030年度に開業予定の北海道新幹線の駅として、間違っているものはどれか?

1. 長万部駅
2. 倶知安駅
3. 小樽駅
4. 札幌駅

問80までは鉄道にまつわる「今日は何の日?」に即して問題を作成していましたが、実験的にスタイルを変更して10問ごとにテーマを決めます。
問121~問130のテーマは、「JR北海道」です。
北海道の観光に役立ちそうな情報を問題にしていきます。

未来の話になりますが、北海道新幹線の駅に関する問題です。
2020年10月現在では新函館北斗駅で止まっている北海道新幹線は、2030年度には延伸開業する予定です。
選択肢の中には、北海道新幹線の駅が設置される予定のない駅があります。

明日10/28(水)の11:45頃までは、Twitterにて実際にご解答いただけます。
現在解答できる鉄道検定のツイートは、固定ツイートに設定しています。
https://twitter.com/cosine_travel

この問題の解答・解説は、こちらの記事をご覧ください。


問129の「解答・解説」

正解は、「4. 快速狩勝」です。


快速狩勝(かりかち)は北海道の中央部を走る列車です。
以下、詳しく説明します。

◆この内容を知るメリット

列車名を覚える必要は無く、「〇〇駅に行くやつ」くらいの認識で全然良いかもしれません。
しかし、列車名を見ていくと地域の特徴や歴史が分かります。
列車名に注目してみるのも、旅を面白くさせるには良いと思います!

それでは、解説に移ります。

◆問題文に即した解説

問129は、最東端・最北端の駅を通らない列車を問う問題でした。
ここで、問題文をもう一度確認します。

【問129】日本最東端または日本最北端の駅を通る列車として、間違っているものはどれか?

1. 特急サロベツ
2. 特急宗谷
3. 快速ノサップ
4. 快速狩勝

1と2は宗谷本線、3と4は根室本線で運行される列車ですが、快速狩勝は根室本線の根室側では運行されません
選択肢の順に見ていきます。


◇特急サロベツ・宗谷

この2つの特急は関連が深いので、まとめて説明します。

特急サロベツ特急宗谷は共に日本最北端の駅である稚内(わっかない)駅を通る列車です。
サロベツは旭川駅まで、宗谷は札幌駅まで運行されます。


サロベツ、宗谷は沿線に関連のある名前となっています。

豊富温泉は「日本最北の温泉郷」です。
そんな豊富温泉の周辺は、アイヌ語ではサラオペッ(sar-o-pet)と呼ばれていました。
サラオペッは「芦原にある川」という意味になります。

このサラオペッが転じてサロベツとなりました。
北海道には「〇別」という地名が多く見られますが、それはアイヌ語で川を表すペッ(pet)に由来するものが多いです。


宗谷の特急名は宗谷本線宗谷岬宗谷総合振興局(旧・宗谷支庁)などの宗谷から来ています。
宗谷はアイヌ語のソヤ(so-ya)に由来します。
ソヤは直訳すると岩・岸となり、意訳すると「岩礁の多い海岸」です。

北海道の地名には、アイヌ語の読みを残したものもあれば意味を残したものもあります。
もしも宗谷が読みではなく意味を残した地名だったら、岩岸(いわぎし)のようになっていたかもしれませんね。


ちなみに、先ほど川はペッ(pet)と言いましたがナイ(nay)もあります。
特急サロベツ・宗谷の起点・終点となる稚内駅がまさにそうです。

稚内はアイヌ語のヤムワッカナイ(yam-wakka-nay)に由来します。
冷たい水のある川という意味になります。

ちなみに、ペッ(pet)は大きな川、ナイ(nay)は小さな川だそうです。
実は、札幌の語源にもペッ(pet)が関係しているのですが、気になる方は調べてみてください!

◇快速ノサップ

快速ノサップは根室本線(花咲線)で運行される列車です。
根室本線の釧路(くしろ)駅根室駅花咲線と呼ばれます。

ノサップの名は沿線にある納沙布岬に由来します。
納沙布はノッサム(not-sam)に由来し、「岬の近く」という意味です。


ちなみに、快速ノサップは東根室駅を通過します。
日本最東端の駅に降りてみたい場合、快速ノサップはご利用にならないようご注意ください。
花咲線では快速はなさきも走り、こちらは東根室駅に停車します。


◇快速狩勝

快速狩勝も快速ノサップと同じく根室本線を走りますが、狩勝は根室本線の西側の区間を走ります。
現在、狩勝峠がある辺りは部分運休となっており滝川駅~富良野駅~東鹿越駅および新得駅~帯広駅~池田駅で快速狩勝が運行されています。
東鹿越駅~新得駅は代行バスによる運行となります。

列車名の由来となった狩勝峠は、日本三大車窓に選ばれています。
しかし、狩勝峠を通っていた旧線は廃線となり、現在はその景色を見ることは難しいです。

ちなみに、狩勝はアイヌ語の由来ではなく石と十から1文字ずつ取ったそうです。

◆最後に

特急宗谷快速狩勝などの列車やアイヌ語について説明しました。
是非、列車名や地名の由来となったアイヌ語にも興味を持ちつつ北海道の旅をお楽しみください!


最後までご覧いただきまして、ありがとうございました!
明日以降の「勝手に鉄道検定」も、よろしくお願いします!

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