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勝手に鉄道検定:168問目

ご覧いただきまして、ありがとうございます!
この記事は、下記の構成となっています。

・問168の「出題」
問168 : フリーエリアを跨ぐ特急しなのの利用方法

・問167の「解答・解説」
問167 : 珍しい軌間を持つ路線

問168の「解答・解説」は、明日更新される記事をご覧ください。
「勝手に鉄道検定」の問題一覧は、こちらの記事にまとめています。

勝手に鉄道検定:アーカイブ(一覧)

「勝手に鉄道検定」の動機については、こちらの記事をご覧ください。


問168の「出題」

【問168】「JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」を利用して特急しなので名古屋駅から長野駅に向かうとき、購入する特急券として最も適切なものはどれか?

1. 名古屋→塩尻(グリーン席)
2. 名古屋→長野(自由席)
3. 名古屋→長野(指定席)
4. 特急しなのは利用不可

問161~問170のテーマは、JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷです。
東海地方をお得に旅できる乗り鉄☆たびきっぷのルール利用できる列車を問題にしていきます。

出題範囲は上記リンクにもあるJR東海の公式ページ下記の記事です。
公式ページや記事は、問題を解く前に見ても後に見ても良いと思います。
みなさん自身に合った楽しみ方をしていただければ幸いです!

明日12/5(土)の11:45頃までは、Twitterにて実際にご解答いただけます。
現在解答できる鉄道検定のツイートは、固定ツイートに設定しています。
https://twitter.com/cosine_travel


問167の「解答・解説」

正解は、「2. 三岐鉄道北勢線」です。
ナローゲージかつ乗り鉄☆たびきっぷのフリーエリア内の路線は北勢線のみです。


選択肢になっている路線を、「乗り鉄☆たびきっぷのフリーエリア内か」と「ナローゲージか」の2点で見ていきます。

1. 三岐鉄道三岐線
フリーエリア:× ナローゲージ:×(狭軌)

2. 三岐鉄道北勢線
フリーエリア:〇 ナローゲージ:〇

3. 四日市あすなろう鉄道内部線
フリーエリア:× ナローゲージ:〇

4. 東海交通事業城北線
フリーエリア:〇 ナローゲージ:×(狭軌)

三岐鉄道には三岐線と北勢線がありますが、乗り鉄☆たびきっぷで利用可能なのは北勢線のみです。
四日市あすなろう鉄道ナローゲージですが、乗り鉄☆たびきっぷでは利用できません

それぞれの選択肢を見る前に、ゲージについて少しお話をします。

列車が走る線路は、基本的に2本で1セットです。
この2本のレール間の長さを軌間(きかん)またはゲージと言います。
模型のNゲージは、軌間が9mmなのでNineの頭文字を取ってNゲージです。

日本で使われているゲージは、主に以下の4種類です。

【1,435mm(標準軌)】
新幹線一部の私鉄(京急本線、近鉄大阪線など)で採用

【1,372mm(馬車軌道)】
東急世田谷線京王京王線都営地下鉄新宿線などで採用

【1,067mm(狭軌)】
ほとんどのJR在来線や私鉄で採用
日本国内では最も多く採用されている種類のゲージ

【762mm(ナローゲージ)】
三岐鉄道北勢線四日市あすなろう鉄道などで採用

ゲージが広ければ広いほど、速達性や安定性は向上しますが建設費や車両の製造に関わるコストなどが増加します。
沿線人口の増加や異なるゲージを持つ路線間の直通運転(秋田新幹線など)によってゲージを変更する改軌(かいき)が行われることもあります。

また、狭軌と標準軌の両方に対応できる3線軌条の区間もあります。
(奥羽本線・秋田新幹線 峰吉川駅~神宮寺駅間など)
※片方のレールを共用するので、レールの本数は4本ではなく3本です。

それでは、それぞれの選択肢について見ていきます。

◇三岐鉄道三岐線

三岐鉄道(さんぎてつどう)には、前述の通り三岐線北勢線があります。

三岐線(さんぎせん)近鉄富田駅~西藤原駅を結ぶ路線です。
※三岐朝明信号場、近鉄連絡線などについては割愛します。
ちなみに、富田は「とみだ」と濁ります。

三岐は三重岐阜の頭文字を取ったことに由来しています。
しかし、三岐線は全線が三重県内を走行します。

三岐線は元々、四日市(三重県)~関ヶ原(岐阜県)~木ノ本(滋賀県)を結ぶ路線として計画されました。
このうち鉄道敷設の許可が下りたのが四日市~関ヶ原だったので、会社名を三岐鉄道として建設が始まりました。

途中の西藤原駅まで建設が進みましたが、後に西藤原~関ヶ原の免許が失効してしまったので三岐鉄道が岐阜県まで到達するのは幻となりました。

また、四日市側に関しては富田駅から関西本線に直通して四日市駅まで運行されることもありましたが、現在は近鉄富田駅を発着する形になります。
そのため現在の区間は近鉄富田駅~西藤原駅となり、四日市駅へは乗り換えが必要となります。

同じような経緯を辿った路線にJR名松線(めいしょうせん)があります。
名松線は名張駅~松阪駅を結ぶ予定でしたが、名張駅を通りません。
ちなみに、名松線も乗り鉄☆たびきっぷでご利用いただけますので、興味のある方は是非乗ってみてください!

※三岐鉄道三岐線は乗り鉄☆たびきっぷ利用不可です。

◇三岐鉄道北勢線

北勢線(ほくせいせん)西桑名駅~阿下喜駅を結ぶ路線です。
終点の阿下喜(あげき)駅には軽便鉄道博物館もあります。

元は北勢鉄道によって建設された北勢線ですが、三重交通や近鉄など色々な会社に所属が変更されながら現在の三岐鉄道に至ります。

三岐鉄道北勢線は全国でも珍しいナローゲージを採用する路線の1つです。
ゲージが狭いのでもちろん車両も小さく、両側の座席に人が座ったら通路が塞がれてしまうくらいです。

実はツイートした時点では三岐線もナローゲージだと勘違いしていたので、三岐鉄道と一括りにしています。
ナローゲージなのは北勢線だけであり、三岐線は1,067mmの狭軌です。

こちらの記事では乗り鉄☆たびきっぷで北勢線を利用した様子も記載されていますので、良ければご覧ください!

※北勢線の話は2日目の後半に出てきます。
※サムネイル画像の列車は、この後に説明する東海交通事業城北線です。


◇四日市あすなろう鉄道内部線

四日市あすなろう鉄道には、下記の2路線があります。

内部線(うつべせん)    : あすなろう四日市駅~内部駅
八王子線(はちおうじせん) : 日永駅~西日野駅

八王子線には八王子の文字を含む駅がありませんが、かつては伊勢八王子駅まで路線が伸びていました。
1974年の集中豪雨の被害によって西日野駅~伊勢八王子駅間が廃止となり、現在の形となりました。

三岐鉄道と違い、四日市あすなろう鉄道は両路線がナローゲージです。
四日市あすなろう鉄道は2014年に設立された比較的新しい鉄道会社であり、ナローゲージであることも社名の「あすなろう」の由来の1つです。
2015年4月、それまで近鉄によって運営されていた内部線・八王子線の運営を引き継ぎました。

先ほど、北勢線の節では「両側の座席に人が座ったら通路が塞がれてしまうくらい」と車両の大きさを紹介しました。
四日市あすなろう鉄道でも当然同じサイズの車両が使われていますが、一部の車両では座席がロングシートではなくクロスシートです。
クロスシートは進行方向を向いて座る方式なので、四日市あすなろう鉄道の方が車内は広く感じるかもしれません。

四日市あすなろう鉄道も三岐鉄道北勢線も同じナローゲージですが、車内は違った様子で楽しめると思います。
是非、どちらも乗ってみてください!

※四日市あすなろう鉄道は乗り鉄☆たびきっぷ利用不可です。

◇東海交通事業城北線

城北線枇杷島駅~勝川(かちがわ)駅を結ぶ路線です。
枇杷島駅ではJR東海道本線勝川駅ではJR中央本線と接続しますが、勝川駅の城北線ホームから中央本線ホームまでは徒歩10分ほどかかります。

路線のほとんどが高架で複線ですが、気動車が走る不思議な路線です。
乗ったら違和感を覚えるかもしれませんが、鉄道好きな方なら楽しんで乗車いただけると思います。
「気になるな…」と思っている方は、乗ってみることをおススメします!

城北線に乗車した様子も、先ほど北勢線の節で共有した記事にあります。

◇最後に

今回紹介したナローゲージの路線は北勢線四日市あすなろう鉄道でした。
このうち、乗り鉄☆たびきっぷが使えるのは北勢線のみでした。

付近を走る近鉄湯の山線なども昔はナローゲージでしたが、沿線人口の増加などによりナローゲージから狭軌に改軌(762mm→1,067mm)されました。
北勢線と四日市あすなろう鉄道は改軌されることなく、今でもナローゲージで走り続けています。
狭軌などに慣れている方は凄く新鮮だと思いますので、是非ナローゲージの路線に乗ってみてください!


最後までご覧いただきまして、ありがとうございました!
明日以降の「勝手に鉄道検定」も、よろしくお願いします!

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