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ファンデルヴァーの失われた鉱山  PCの活躍を伝える試み  第 一 夜  旅立ちと戦闘指南

 ネヴァーウィンターの街にあるオグマ寺院の中で、ウルリッヒ・アルマドリエルは旅支度に余念がなかった。
天啓による使命を果たそうとファンダリンへ旅立つ準備をしていたのだ。
だが、旅と森になれたエルフであっても、一人旅は危険が大きいのが最近の情勢だった。
そのため、彼はやむなく冒険者の宿へと同行者を探しに行くことにした。

 時を同じくして、同じくネヴァーウィンターの街で、旧友グンドレン・ロックシーカーと会ったヴェイトは、興奮気味のグンドレンから彼の荷馬車の護衛兼移送を依頼される。
何やら友人にとって大発見があり、急ぎファンダリンへ行きたいが、それ用の大荷物も持って行きたいらしい。
立ち話も、という事でヴェイトのいつもの酒場兼宿屋へと足を向けると、そこには午前中からエールを煽るローグ、ムサシと、一足遅れて店に入ってきた快活な口調の一見レンジャーと見まごう女戦士、アリスがいた。
ヴェイトの紹介の元、グンドレンが店主に依頼を話す間もなく、早々に一口乗ろうとするムサシと、護衛に興味を持ったアリスに加え、寺院を後にファンダリンへの同行者を求めて立ち寄った侍祭、ウルリッヒがカウンターへと集まる。
それぞれの思惑や意思が合致し、4人はグンドレンの依頼を果たしに、牛車の荷馬車に満載された作業用具を「ファンダリンのバーセンの万事屋まで届ける」事に合意した。
前金として一人5枚の金貨と1本のポーション・オヴ・ヒーリング受け取りつつ、飲み比べに加え旅支度を整える時間を取ると、商談のため先行するグンドレンとその護衛、聖騎士シルダーを見送り、翌日、一行は侍祭の見送りに来た僧に手を振られながら、北の都ネヴァーウィンターを意気揚々と後にした。
行く先は、南の開発途上の町、ファンダリン。
依頼報酬は、届ければ一人につき金貨10枚の荷馬車護衛の旅である。

 街道の旅は順調に過ぎ、全行程の四日の内、二日掛けてハイロード街道を下り、三日目が過ぎようとしていた。
夕刻になり、トライボア街道を東へと進みながら林道の入り口に差し掛かったその時、道が狭く深い林がせせり立つ道に山賊どもが待ち受けていた。
ゲラゲラ笑いながらライトクロスボウを手に立ち塞がる首領とその手下共、数にして総勢8人の野盗の集団が立ちはだかる。
しかし、道中の警戒を怠らなかった一行は、ムサシの吶喊、アリスの機転、ヴェイトの兵士の経験と力強さ、そしてウルリッヒの迸る魔力により、野盗たちを次々と打ち倒していった。
そして、「俺たちを倒すとは見上げたもんだ…」と野盗の首領の虚しい声が響くと、山賊たちは息絶えた。
 追剥どもを撃退し、事なき得た一行は、胸をなでおろす一方でそれぞれの力量と仲間意識を確かめ合いつつ、その晩の野営の準備に取り掛かるのであった。

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