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Helpless Ⅱ




幾つもの 呪いという名の御守り


他者から受けたもの
自ら造り上げたもの
日々の中に 私の中に
それは有り続ける


呪い お呪い


積もれば積もるほど
奥底には何かが滲む


気が付けば
滲んだ存在さえも掬い取り
その全てに生かされている




大切な存在を無下にし
傷をつける毎日

身体と心が苦しいという


とびこむとびおりる
遠く遠くへと

そればかり

手に触れるような距離で
何かが囁き
言葉を置いては去ってゆく



自らの意思で
目を覆い 耳を塞ぎ 口を噤んで
寄生して
ただひたすらに 甘い蜜を
怖い夢から守ってもらう夜


許されたかった

許されるために
取り繕い
変容することでしか生きられなかった



暗闇で微睡むのは心地が好い
ただ 影に呑まれるのはもっと恐ろしい




当たり前の結果 至極当然の末路






永いこと狭間に立ち続けていると
大切な存在を忘れてしまう

自己や他者
それを取り囲む俗世について

ほんとうに 何もかも


ただ息をして風を受ける
身体だけが取り残される




気が付けば
指先や脚元の感覚
闇の中で生まれる明暗しか見えなくなった

それでも それでも
どうしてか
あらゆる物に導かれながら
今も螺旋を歩いている


砕けては継ぎ接ぎ
綻んでは縫い直し





ひび割れ 綻び
いつしか点は線となるもの

その線は歪に絡まり合い
今此処で なにかを表している





今夜も空へ懺悔を

呪いから逃れるために
呪いを押し付けながら





影の中から
明日が私を手招きする




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