ベトナムに行ってきた
常に遊んでるような私が、更に休暇までいただいてベトナムへ旅行に行ってきた。
私が主に滞在したのはダナンという街で、あちらはちょうど雨季に差し掛かろうかという季節。晴れた昼間は100mも歩かないうちに滝汗。雨が降れば涼しくはなるが湿度がえぐい。
残暑の厳しい東京を離れ、高温多湿の国へ武者修行である。
ベトナムという国は、とても暑かった。
どこにも涼しいところがなかった。
バリ島よりも、シンガポールよりも、ずっとずっと暑く感じた。タイも暑かったけど、建物の中はえぐいくらいエアコンが効いていた。ベトナムにはそれがなかった。ホテルの部屋はカードキーを抜くと電力が落ちるシステムなので、外出から戻るといつもだるい暑さだった。もしかしてと思って、いろんなカードを差し込んでみたけど、ホテルのカードにしか反応しなかった。ホテルでカードキーのコピーを作ってもらって解決したけど、ホテルの部屋以外はどこも穏やかに暑かった。
ベトナムでは、氷に苦労したのだ。
とにかく、コンビニに氷が売っていない。スーパーにも売っていない。ちょっと大きくて高級そうなスーパーで、やっと森永製菓の『ICE BOX』みたいな氷を見つけたが、それ以外の場所では氷は売っていなかった。そして、カジュアルな店でビールを頼むと冷えの甘いビールが出てくるか、まったく冷えてないビールに氷入りのグラスが出てくるというのがベトナムのお決まりのようだった。
ベトナムでの氷は注意と聞いていたので、小さなお店での氷は極力口にしないようにした。大きな店か意識高い系のお店の氷は自分のお腹を信じることにした。しかし、そんなことをしていると美味しいアイスコーヒーや果物ジュースの氷まで疑わなくてはならなくて、無駄に神経を消耗することとなった。ある時から自分の中で基準を作り「穴の空いている氷はOK」ということにした。全然根拠はない。しかし、滞在中に飲み物でお腹を壊すということはなかった。屋台の氷以外ならイケるんじゃないだろうか。
こんなに氷がなくて、冷えたビールもなかなかなくて、店はほとんどが屋外優勢で、デパートすらぬるいエアコンの効き具合で、私はもしかして銀河鉄道999で暑くて暑くて仕方がない星に来てしまったのかと勘違いしたくなるほどだった。
現地で仲良くなったヘップさんという青年に氷について尋ねると「そういえば、コンビニやスーパーには氷は売ってないですね。氷は通常、お店がブロックで購入するんです。もしよかったら、ホテルの人に氷を持ってくるように私からお願いしてみましょうか?」と返ってきた。いいです。ホテルに頼むなら自分で出来ますので。いや、なんなら氷を自分で作ったらいいんじゃないか? 買ってみた水を器に移して冷凍庫で凍らせて、出来上がった塊をアイスピックで砕けばいいんじゃない? 名案じゃん!(部屋には大型冷蔵庫が完備されていました)
友人夫婦に私の超絶最高の名案を提案したが、前のめりで却下された。
アジア旅行の際にはアイスピックが必需品なので持ってきてはいるのだが、氷を砕くテクニックは誰も持っていなかった。
仕方なく、ホテルで氷をオーダーした。
間もなくアイスペールに入った半月状の氷がうやうやしく届けられたが、ものの数十分で溶けてなくなった。南国、恐るべし。
しかし、帰国したら東京には秋が訪れていた。
脳内夏子は私だけで、今日はみんな長袖を着て歩いていた。私はと言えば、麻布のノースリーブワンピで完全に真夏使用。秋の訪れに頭が付いていかない。帰国直後、私がまず家に返ってから行ったことは、洗濯ではない。氷作りだ。冷蔵庫の製氷機のパワーを上げて、製氷ボックスが氷で溢れるくらいにしたところで気分が落ち着いた。出国前は鬼のように氷をたくさん作って、アイスティーにジャカジャカ入れてキンキンに冷えたものを飲んでいたのに、我に返ってみれば外は肌寒いくらいだった。
意識高い系の女子はもう白湯を飲み始めているのかもしれない。
この休暇のために、私は連日休みなく働いた。自炊する時間もなかった。なんなら食事する時間もなくて、立ったまま5分ランチとか24時間知らないうちに断食してました的な状況になっていた。本当にいそがしかった。そのおかげでnoteやその他のSNSにまったくアクセスする時間がなかった。たまにXで「僕は生きているよ」的にツイートしていたけど。
来月になれば少しは余裕ができるので、ぼちぼちとまた始めていこうと思う。
もっとベトナムのことを書こうと思ったのに、ベトナムの点のような情報しか書けなかった。というか振り返ると、ベトナムでは常に冷えた飲み物と冷えた部屋を求めていたように思う。たぶん10年後にベトナムのことを聞かれたら、やはりずっと氷の話をするのだと思う。
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