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【文系や初心者向け】1.品質の世界へようこそ【品質出身者が語る】

このシリーズは、品質管理と統計学の基本から応用までを幅広くカバーし、初心者や文系の方々でも理解しやすい内容とすることを目指します。一通り読むことで、品質的な考え方を獲得することができます。

品質管理の世界に足を踏み入れるというのは、ある意味で、私たちの生活全般にわたる「質の追求」の旅に出ることに他なりません。この旅は、単に製品やサービスが「良いか悪いか」という表面的な評価を超え、それらがどのようにしてその品質に至ったのか、そしてその品質が私たちの生活、仕事、さらには社会全体にどのような影響を与えるのかを探求する過程です。品質管理は、この「質の追求」を体系的かつ科学的に行うための方法論、哲学、そしてツールの集まりです。

品質管理とは何か?

ここでは、品質管理の基本概念、目的、そして日常生活やビジネスでの重要性について解説していきます。

品質管理(Quality Control、QC)とは、製品やサービスが顧客の要求や期待に合致することを保証するための活動を指します。これには、製品やサービスの設計から生産、提供に至るまでの全過程にわたり、一貫した品質を維持・向上させるための計画、実行、監視、そして改善が含まれます。品質管理の根底には、「良い品質は偶然ではなく、計画によって実現される」という考え方があります。

品質管理の目的

品質管理の主な目的は、顧客満足度の最大化です。これを達成するために、品質管理は以下のような具体的な目標を追求します。

  • 製品の一貫性と再現性の確保: 同じ製品であれば、いつどこで購入しても同じ品質であるべきです。

  • 不良品の削減と廃棄物の最小化: 資源の無駄遣いを避け、製造コストを削減します。

  • 顧客の期待と要求の満足: 顧客のニーズに応え、期待を超える品質を提供します。

  • 規制と基準の遵守: 法的要件や業界基準に準拠することで、製品の安全性と信頼性を保証します。

難しいことがずらずら書いてありますが、結局のところは以下の様に思ってください!

日常生活での重要性

品質管理は、私たちが普段意識していないところで、日常生活の質を高めています。食品から医薬品、自動車から電子機器に至るまで、あらゆる製品の製造過程に品質管理が取り入れられています。これにより、消費者は安全で信頼性の高い製品を手に入れることができ、生活の質が向上します。
どこの会社にも品質部門はあると思います。それだけ企業としても品質は重要視しているということですね。

ビジネスでの重要性

ビジネスの観点からは、品質管理は企業の競争力を高める上で不可欠です。高い品質の製品やサービスを一貫して提供することで、企業は顧客の信頼を獲得し、市場での地位を確立することができます。また、品質管理によって不良品の発生が抑制されることで、コスト削減にもつながり、結果として利益の向上に寄与します。

品質管理は、単なる製品検査や不良品の排除といった後工程の活動にとどまらず、製品ライフサイクル全体を通じて品質を計画し、維持し、改善する包括的なアプローチです。このアプローチは、企業だけでなく、働く人々、顧客、そして社会全体に利益をもたらします。


品質管理の歴史

ちょっと眠くなるかもしれませんが、学ぶ上で歴史は必須です。できるだけ簡潔にしますので、我慢して読んでみてください。ここでは、デミング博士など、品質管理の発展に貢献した人物とその教えについて解説していきます。

品質管理の歴史をたどる旅は、単に技術や手法の進化を追うこと以上の意味を持ちます。それは、産業革命以降、製造業が直面した課題にどのようにして取り組んできたか、そしてその過程で現代のビジネス哲学や経営手法がどのように形成されたかを理解することを意味します。この歴史の中で、特に重要な役割を果たしたのが、品質管理の概念と実践を大きく進化させた一握りの思想家たちです。

統計的品質管理の誕生

ウォルター・A・シューハートが統計的品質管理(Statistical Quality Control, SQC)の概念を導入しました。ざっくりいうと、製造プロセスにおける変動を統計的に分析して、品質改善するといったイメージです。これにより、品質管理は製品の最終検査からプロセスの監視と制御へとその焦点を移し始めました。

デミング博士の登場

品質管理の歴史において最も影響力のある人物の一人が、ウィリアム・エドワーズ・デミング博士です。デミング博士は、品質の向上がコストの削減、生産性の向上、市場シェアの拡大に直接つながるという考え方を日本の企業に広めました。彼の教えは、品質管理を経営の中心的な要素として位置づけることの重要性を強調しました。

デミングの哲学は、「デミング・サイクル」としても知られるPDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを通じて具体化されました。これは、品質改善のための反復的なプロセスを指し、今日でも広く用いられています。

日本の品質管理の発展と世界への影響

デミング博士の影響を受けた日本は、品質管理における世界的なリーダーとしての地位を確立しました。日本の企業は、品質の向上が競争優位性に直結することを実証し、これが世界中の企業に広く受け入れられるきっかけとなりました。日本から生まれた品質管理の概念や手法、例えばカイゼン(改善)は、世界中の製造業だけでなく、サービス業においても品質向上のための基本原則となっています。

現代の品質管理

現代の品質管理は、ISO 9001などの国際基準の普及により、さらに進化しました。これらの基準は、品質管理システムの構築に関するガイドラインを提供し、企業が一貫して顧客の要求と適用される法的および規制要件を満たすことを保証します。

簡単に説明してきましたが、残念ながらモノづくり大国日本の時代はとっくに終わっているのでしょう。その最たる例として、大企業の度重なる不正があります。品質を学ぶ上で、決して忘れてはいけません。
ざっくり過去10年でどんなことがあったか振り返ってみましょう。

多い…

直近では以下の2つでしょうか。

豊田自動織機のエンジン不正とダイハツ工業の一連の不正 (2023年) -豊田自動織機は、エンジンの認証試験で不正が発覚しました。 トヨタは、エンジンダイハツ工業では、2023年に検査不正が発覚しました。

国会議員の裏金問題とかとか  -もう、書ききれません。

ザックリ書いただけでもこれだけ出てくるんだから驚きです。それと同時に悲しくなってきます。ちなみに国会議員、いい加減にしてほしい。

品質管理の歴史を振り返ることで、私たちは過去の教訓から学び、未来への道を照らすことができます。デミング博士をはじめとする思想家たちの貢献は、品質が単なる技術的な目標ではなく、組織の文化と密接に関連していることを教えてくれます。品質管理の進化は止まることなく、絶えず変化する市場と技術の中で、私たちの製品とサービスをより良くするための新たな方法を模索し続けています。
こんな惨状だからこそ、我々個人がしっかりせねばならないということですね。

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