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コロナ倒産した僕が、みんなに伝えたいこと【8話】-倒産前後の話その2-

これは、僕の物語を少し脚色して読みやすく書いてくれている記事「コロナ倒産した僕が、破産を決意した日のこと【1話】」との競作でもあります。もしよければそちらもどうぞ。

僕の会社は、タイで作ったゴム風船のセットを日本のコンビニやスーパーや100均で売って頂く商売をしておりましたが、2020年3月25日に事業をストップし、4月6日に東京地方裁判所に破産申告書を提出し、4月10日に破産開始決定となりました。後でわかりましたが、都内で6件目のコロナ倒産企業でした。

なるべく迷惑が少なくなるようにと様々な対策を施しましたが、倒産の結果、やはり債権者のみなさんには多大なご迷惑をおかけしてしまいました。改めて、お詫び申し上げます。そして、そんな僕に再度人生をやり直せるチャンスを頂いたことに感謝申し上げます。ありがとうございます。

そんなコロナ倒産した僕が、コロナ父さんとなり、みなさんに伝えたいことを少しずつ書いていきたいと思います。

<倒産前後の話その2>

こちら「倒産前後の話その1」の続きです。

前回、僕の会社の仕入先の依存度が80%という話をしました。そして売り上げが下がりキャッシュが不足しているため、フィリピンへの投資を停止したところまでお話をしました。

通常は海外からの仕入では、荷物と同額の金額を送金して船荷書類(貿易の際に必要な重要書類)を入手する、いわゆる荷物とお金を引き換えるような取引が一般的です。しかし、僕の会社では前社長である父の代から、仕入れ先のタイ企業が僕の会社への一社依存という理由で、その会社の資金繰り支援の一環として、「前渡金」という形で先にお金を定期的に送っていました。これは、タイからくる荷物の価格とリンクするものでなく、4-5万ドルを月に2回送り、送ってきた荷物の金額をその「前渡金」から引いていくという、とても特殊な取引の形をとっておりました。そして、これはずっと金融機関からも問題として指摘されておりましたが、様々な要因がありずっと解消できずにおりました。

この前渡金は僕が社長になってからの10年間で、1000万円が2000万円、・・・と売上の拡大とともに増えていっておりました。そして昨年11月の決算期には莫大な金額となっていました。その期は前の期と比べて20%の売り上げダウンとなり売り上げは2億円を切っており、かつ金融機関からの借入はもうすでにパンパンのため、この業績ではそれ以上の金融機関からの借入は厳しく、キャッシュは底をつき始めておりました。そのため、その仕入れ先のタイ企業にしばらくは前渡金は支払えないが、前渡金分の荷物は入れてほしい旨を伝えました。

しかし相手からは、前渡金と扱っていたお金はほとんど尽きておりお金はないので、もし日本からの送金がないならば、いま注文を受けている荷物も送れないと言う回答でした。この事から、当人同士の話し合いに限界を感じた僕は、日本での弁護士と相談の上で、2020年1月から現地にいる知人の日本人弁護士を通して、仕入れ先の会社と話をすることとなりました。

何度か続けた弁護士を通した話でも、よい話を聞くことはできませんでした。結局お金を払ってくれないならば、タイの会社は閉じるという回答となりました。そして2/20頃には、現地の日本人弁護士からはこれ以上の話し合いは無意味だという結論をもらいました。このタイの仕入れ先が閉めるということは、売り上げの80%を占める商品の供給元を絶たれるという事になり、つまりは、僕の企業を存続させることは無理だということです。

そうであれば、なるべく早く会社を畳んでキャッシュアウトを少なくすることが債権者さんへの被害を少なくすることと考え、日本の弁護士と会社の事業を停止する日付を「3/25」と決めて、そこに向けた準備を始めることにしました。これが、2月の末ごろの話でした。

続きは「倒産前後の話その3」へ

<コロナ父さんに任せなさい>

経営者にとって自分の会社を潰す事を決定することは、今までの自分を否定するような作業に感じることと思います。しかし、実際は違います。会社は無くなったとしても経営者の生活は続いていくのです。それ以上の被害が広がらないように、弁護士などの専門家の手を借りて、その後の生活も見据えて前を向いて、粛々とことを進めていく必要があります。

自分が経験して分かったことの1つが、専門家さんと経営者さんの間をつなぐ、僕のような経験者のサポートの必要性です。正直いくら専門家に相談しても、やはり不安はずっと付きまとっていました。本当に寄り添えるのは経験者しかありえないと思います。

何かあったら「コロナ父さんに任せなさい」。

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