コロナ×こども本部LINE公式アカウント”中の人”の思い
このnoteは、コロナ×こども本部LINE公式アカウント(@codomo)の”中の人”が、1年と少し皆さんと一緒に歩んできた思いの丈を書いています。
コロナのコの字も読みたくない気持ちの人もいるかもしれません。
そんなときはページをそっと閉じて、深呼吸してくださいね。
1.コロナ×こども本部LINE公式アカウント”中の人”になる
2020年4月、新型コロナウイルス感染症が私たちの日常生活を一変しました。
時を同じくして、国立成育医療研究センター社会医学研究部・こころの診療部を中心とした研究者・医師ら有志は、コロナ×こども本部を結成することになりました。
主な活動は、コロナ×こどもアンケートというアドボケイトを目的とした実態調査です。
“アドボケイト”や”実態調査”、と聞くと縁遠い話に感じるかもしれません。
ですが、「そのとき何が起こっていたか」声を集めてきちんと記録して、社会(皆さんご自身、園や学校、病院、地域など…)に還元することで、みんなが元気になる方へ未来を変えていく貴重なヒントになるのです。
このコロナ×こどもアンケートを通じて、
①新型コロナ流行期のこどもと保護者の生活と健康の現状を明らかにすること
②問題の早期発見や予防・対策に役立てること
③こどもと保護者の安全・安心につながるような具体的な情報を発信すること
を目指しています。
これまでは病院で働く系小児科医だった私が、公衆衛生大学院進学を機に、ご縁あって「コロナ×こども本部」に加わることになりました。
そしてさらには、LINE公式アカウント担当に任命していただきました。
実はLINE公式アカウントの使い方も、活用の仕方も、まったくわからなかった初心者でした。
(むしろIT技術には疎い方で、iPhoneはいまだに第一世代のSE…。)
ただ、こどもと保護者の役に立ちたいという気持ちとヘルスコミュニケーションへの熱意だけは人一倍ありました。
2020年4月当時を思い出していただければわかると思うのですが、コロナの感染拡大は待ったなしの状況で、「コロナとこどもの情報」を世間の皆さんが必要としていることは、アンケート結果からもひしひしと伝わってきました。
そうしたニーズに背中を押され、初心者ながらも、2020年5月からコロナ×こども本部LINE公式アカウントをよちよちと運用し始めました。
実際に運用してみると、使い方が意外に簡単…!と気づきました。
「伝えたいことを入力→絵文字や画像をつける→送信する」
これは、ふだん個人同士のLINEでやっている手順とほぼ同じです。
おそらく一番できない人のレベルに合わせてデザインしてくださったのでしょう。
直感+ガイドを読めば、他の操作もだいたいのことができるようになりました。
凝った画像をつくるにはたしかに少し技術が要りますが、画像作成もLINE公式アカウントの中でできたりとサポートは手厚いです。
知識や経験がない初心者でもすぐに始められる。
このことは、私にとって非常に心強いものでした。
2.「情報支援の新しいかたちをみつける」
LINE公式アカウントは、配信した情報をスマホに直接届けてくれます。
(これを能動的という意味で「プッシュ型」というらしいです)
医療の情報支援の世界では、これは画期的なことです。
なぜなら、医療従事者や専門家がつくりだす医療情報は、基本的に「知りたいことがあれば自分で探してね」という待ちの姿勢だからです。
でも実際は、自分の知りたいことを教えてくれる(しかも信頼できる)情報を探すことは難しいですよね。
今回の「新型コロナウイルス感染症」に関して、こどもたちや保護者の方々が必要とするような情報はなおさらです。
だからこそ、コロナ×こども本部で小児保健医療分野に携わる私たちが集めたり吟味したりした情報を、「こどもと保護者に関わるコロナの情報」がほしい人たちに直接届ける必要がありました。
そのためには病院で待っているだけでは足りないのです。
届けたい人たちの元に、スマホに、LINEに、出向かなければなりません。
コロナ×こども本部のLINE公式アカウントはこれを可能にしてくれました。
LINE公式アカウントに登録してもらうことで、ウェブサイトや関連するソーシャルメディアを「新しい情報出てるかなー?」とせっせと見に来なくても、次のアンケート調査が始まるんだ、調査結果はこんな風だったんだね、と知ってもらうことができるようになったのです。
歩み寄る、と言ったらおこがましいのですが、LINE公式アカウントを活用することで、これまでのような待ちの姿勢では叶わなかった「新しいかたちの情報支援」を実現できているのではないかな、と思います。
3. 「シェアに思いを馳せる」
コロナ×こども本部のLINE公式アカウントに登録してくださっている人の中で、ご家族やお知り合いの方に記事をシェアしてくださる方を時々お見かけするようになりました。
こども本人向け、保護者の方々向け、保育士さん向け、学校の先生向け、など個別の資料もつくっているので、コロナ×こども本部としてはとてもありがたいことです。
これを聞いて私が感じたのは、
“Sharing is Caring”
あなたのことを気にかけてるよ、という気持ちです。
特にLINE公式アカウントのタイムラインの場合は、ほかのソーシャルメディアとちがって、気にかけているあの人にワンクリックで直接シェアできます。(友だちみんなにシェアすることも、もちろんできます)
あなたとこれをシェアしたかったんだという思いが伝わるすてきな機能ですよね。
コロナやその影響に対する感じ方は、人それぞれ温度差があってとてもセンシティブです。
コロナ×こどもアンケートの中には、置かれている状況は様々で、つらいことも嬉しいこともいろいろあって、それでも悩んだり考えたりしながら、このコロナ禍を一緒に生き延びてきた証が、そのうちの一部ではあるけれども記録されています。
「コロナとの戦いは孤独を感じています。このような取り組みは、同じような方がいると実感できて嬉しいです」
「自分だけじゃなくて他の子達も同じようなことを思っていたり、大人たちも沢山頑張ってくれていることが知れてすごく心が楽になった」
(2021年1月実施LINEリサーチの自由記載より)
アンケートにShareしてくれた答えが、それを読んだ見知らぬ誰かをCareしてくれることがあると、私たちは教えてもらいました。
これもある意味で"Sharing is Caring"のひとつなのかもしれません。
LINEに流れてきた「コロナ×こどもアンケート」の結果を、そうなんだね〜とぼうっとながめたり、自分はどうだろうと振り返ったり、いまは考えたくないなと画面を閉じて休んでもらったり・・・そんな気づきの時間を、LINE公式アカウントの読者の皆さんに、そして皆さんの大切な人たちにお贈りできていれば嬉しいなと思います。
4. 「LINEリサーチを通して励まされる」
コロナ×こども本部のLINE公式アカウントでは、これまでに3度LINEリサーチを利用させてもらいました。
本家のアンケート調査にもご協力いただいている方が多いので、ごくかんたんな質問をいくつかのみです。
いつも手を合わせて拝んでしまうくらいありがたいのは、自由記述で答えていただく部分の回答です。
このコロナ禍で、毎週の配信記事を考えながら「読んでくれている人いるのかな」「やっている意味があるのかな」と私自身も弱気になることがあります。
いくらLINE公式アカウントで記事を届けたからと言って、こどもたちの病気が治るわけでもないし、大変な時にそばにいられるわけでもありません。
「色々な情報が流れる中、ここを覗くと必要で気持ちを落ち着かせられる情報を知ることができ助かっています」
「繋がれている感覚が持てる、孤独を感じずにいられる、よい取り組みだと思います」
(2021年6月実施LINEリサーチの自由記載より)
でも、このように読者の方々から感謝やねぎらいの言葉をかけていただいたり、畏れ多くも褒めていただいたり、すこしいい方に進んでいます、とご報告をいただいたりすると、後ろ向きな気持ちもふきとんで「がんばってみよう」と胸があたたかくなります。
コロナ×こども本部の活動やLINE配信に共感してくださっている人がいる。
LINEリサーチは、そのことを直に思い出させてくれます。
5. 「コロナ禍が終わっても受け継いでいく」
LINE公式アカウント開設当初は、これがルーチンとしてのサポートになり、こどもたちや保護者の方々が「今週も来るかな」と思ってくれるような存在でありたいですね、と私たちは話していました。
そして1年後の今頃には、コロナは収束していて、めでたしめでたし、と役目を終えているものだと思っていました。
しかし、これを書いている2021年7月現在はまだ収束の見通しは立っていません。
この1年でこどもたちや保護者の方々に及ぼされた影響が、長期的にはどうなるのだろうと心配に感じている方もいらっしゃるかもしれません。
LINE公式アカウントを含めた、コロナ×こども本部の活動をいつまで続けるべきなのか、私たちとしても悩んでいるのが現状です。
ただ一つ言えるのは、私はこのコロナ×こども本部LINE公式アカウントの運用を通して、こどもたちや保護者の方々の声を聴いて、一緒に考えること、情報を支援していくことの重要性を改めて感じています。
そして「一般の皆様に情報を支援する」ために、LINE公式アカウントが心強い手段になるということにも気づかされました。
”コロナ禍”と呼ばれるものが無事に収束を迎えたとき、コロナ×こども本部LINE公式アカウントはその役目を終えているのかもしれませんが、そこで気づいたことや大切にしてきたことは、次に携わる活動でもしっかりと受け継いでいきたいと思います。
コロナ×こども本部LINE公式アカウントを見てくださっている皆さん、配信内容のチェックやサポートをしてくれているコロナ×こども本部メンバーの皆さんに感謝を込めて。
コロナ×こども本部LINE公式アカウント(@codomo)"中の人"より
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