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逃げるのは楽だが苦しくなるだけ、個人的に泣けてきたRPG[OMORI]について

ようやくクリアすることができました。

インディーゲームだからそれほど長いプレイ時間じゃないと思っていたら、80時間越えしていた。

途中に寝落ちやらも重なっているので、必ずしもこんな時間かかるということはないのだけれど、ボリュームは2,000円内で買えるにしては十分すぎるほど満足度が高い。

そして、主人公の罪は大きく共感し難い部分もあるだろうが、いつまでも逃げていても、苦しさはどんどんと増していくだけで自分も周りも成長しない。

先にゲームの評価を述べるとしたら

RPGとしてバトルの仕組みは非常に面白く、バッドステータスになりがちな感情(怒り・喜び・悲しみ)が戦闘において重要であり、後半に連れて敵のダメージが増加し、装備品では対処しづらい場面でもっともうまく切り替えて戦わなければならない。

特にこの「ウザイ人」のバトルの時など、感情が一方的になり相手側は固定感情になったりと土壇場でひっくり返される場合もある。
三すくみを覚えとかないと、トースト化が頻繁に起こってしまう危険性があるが、こういったシステムは面白いと思った。

このウザい人をまた例にするとしたら、BGMの良さは耳心地が良い。
アンダーテールやデルタルーンのような印象に非常に残るクオリティの高さゆえ、インディーゲームだからこそ描けられる音楽の世界というのもあり、スマホにBGMを入れて、音楽聞きながら散歩したいほどだ。

どんな大作ゲームであろうと、音楽があまり印象に残らないゲームはやはり全体的にも記憶に残りにくい・・・んじゃないだろうか?

反面、少し腑に落ちない点・改善点

偉そうな出だしで申し訳ないが、ここら辺は個人的にすごくわかりにくかったと感じた部分だ。

戦闘のテンポがちょっと遅く、ファミコン・スーファミ時代を思い出すMOTHER式のテキスト送りなのだが、多段攻撃など全部流れるまで結構またなきゃならない。
気になるストーリー展開だが、戦闘がもう少しスムーズに運べれば二週目など「やる気」が起きるのだが、難易度の高さや強くてニューゲームなどもないので、時間に余裕ある人じゃないと難しい。

アイテムと装備品の区別もつきにくい
オーブリーがバットなど叩くもの、ケルがバスケットボールなどの球体、ヒロがクッキング用品、オモリはナイフ固定と得意武器はともかく、
防具はリボンやベルトなどはわかりやすいのもあれば、ぱっと見補助アイテムなのか回復用のアイテムなのか?なんだからわかりにくいものが多い。

アイコンでもついててくれればいいが、元々金銭が「アサリ」であったりNPCが独特すぎて何を言ってるのかわからなかったりと、不思議な世界でただでさえ困惑しそうなのに拍車をかけている。

サニーたちの罪をプレイヤーがどう解釈するか

精神世界ではほんわか空間であり、ハンフリーのトラウマイベントやスライムガールズいただきます事件など怖いものこそあるが、サニーが作り出した世界ゆえホラー要素は控えめだ。

鬱病や自殺などのホラー要素を彷彿とさせるキーワードが付きまとう作品の理由は「現実世界」であり、サニーたちが起こした罪を受け入れようとした意識が作り出した幻だ。

マリの死によってバラバラになってしまった5人は、また昔のような関係に戻りたいと願っているが、サニーの心は絶対に無理だとあきらめている。

サニーがもし操作プレイヤーではなく、仲間やNPCであったのなら?
きっと、許しがたい存在として描写されていたのではないのだろうか?

端的にいえば、毎日出てくるニュースで断片的に流れてくる情報を鵜呑みにして、まるで背景がわからないのに「こいつがすべての元凶」とし突き放したままにする「現実に生きる人」そのままの感想で終わるかもしれない。

プレイヤーは、OMORIを通してサニーという人物を長時間触れてきたため、全部のユーザーが共感得たかは難しいが、彼がサイコパスなだけの人物ではないということはわかると思う。

サニーはあまり感情を出すことが苦手で、何を考えているかわかりにくい、だが友達思いでマリをすごく慕っていた。
意外に引き籠っていたという割には、喧嘩などやっかみにはあまり動じないほど他者とのコミュニケーションが苦手というわけではない模様。
RPGの特性で誰これ構わず話しかけられるメタ的な見方は出来るが、コミュ障で「ひきこもり」してるという誤解はしてはいけない。

実はすごく扱いずらいと言われる釘バット。見た目の凶悪さの割には手間暇だけかかるだけの悪く言えばファッション用。こういう武器を振り回す野蛮な子相手でもあまり動じていない。

心の中ではこわっ!と思ってるかもしれないが、もしかしたらあの時の自分の罪に比べたらバットで殴られるなんて、大したことは無いという感じだろうか

最後の告白

あの時のあんなことをしなければ、自分が我慢していればなどタイムマシンでもあればと後悔に押しつぶされないように精神世界に逃げ込んだが、友達の支えや、それでもマリは自分を助けてくれていたと気が付いたサニーは、何度も自分と向き合い。

病院で目を覚まし、感情が溢れ涙を流す。

あの幸せな時間を奪ってしまい、みんなに迷惑を与えてしまい、引き籠っている自分をなんとかしようとしてくれた友達に対して、どういう気持ちで向かえばいいかわからない。

本当のことをいえば、きっとバラバラになってしまう。

マリと恋仲になるほどの親密になっていたヒロや、お姉ちゃんとして非常に慕っていたオーブリーは特に感情をぶつけてくるかもしれない。

でも、プレイヤーが見れる物語はここで終わり。サニーは引っ越しして離れていく風景しか見れず、その後どうなったかは想像に任せられる。

ほとんどのプレイヤーは、なんとか立ち直ったヒロがまた過去と同じように再び心が折れることになるかもしれないと危惧してしまう。

何があっても遠くに離れていても友達だよと、ラスト周辺でこれでもかというほどサニーを気遣ってくれる優しさ。それを無下にしてしまう息苦しさをプレイヤーに与えてしまっているというニクイ演出。

告白してもサニーの心が軽くなるだけかもしれない。
無理に言わなくてもいいのかもしれない、だが、それでもあの時なぜマリが死んでしまったのか理由はしっかりと伝えなくてはならない。

あの時と違って精神面でも成長したからこそ、全員違った受け取り方が出来、悲観せず前に進むことが出来るエンディングであってほしいと個人的には願っている。
いつか亡き姉の思いを汲んで、有名なバイオリンの奏者となってくれればグッドエンディングを目指したことで、こちらも気が晴れるというものです。

あのシーンは泣かせるので反則


ラスボス戦終えたあとのマリとサニーの成長過程が描かれるが、こういうシーンはすごく弱い。楽しかったアルバムを何度も見るシーンがあるため、照らし合わせると泣けてくる。
感情が薄い主人公だからこそ、心の底からすごく慕っているとわかるだけにまさかこんなことになるなんてと、受け入れがたい気持ちになるのもしょうがない。

ましてやこのゲームを「ひきこもり」で「ホラー」で「うつ病」など怖いゲームとして紹介されているためか、ここまで泣かせに来るRPGとは思わずSEO狙いで強めのキーワード用意したい気持ちもわかるが、本当は感動できるMOTHERのようなRPGなんだよと、もっとアピールしたいところ。

ドラえもんやクレヨンしんちゃんなど良い例にあげると、ギャグチックで笑えるシーンや楽しいシーンが頻繁にどちらの世界でも挟んでくるので、泣けるシーンに変わった時の効果が非常にバツグンで塩梅がすごく良い。

もうすぐNintendoswitchで配信されるから、是非ともプレイしてもらいたいインディーゲームがまた一つ登場です。

いやぁ、ほんとインディーっていいですねぇ。

クリアしたので攻略&雑談日記書いてます▼
https://coromoappleserver.blog/omori-aomori-play/

余談、原因となった家の構造に問題があったのは確かなので、対策してほしいと切に願う。
ドラえもんののび太も、何回も被害にあってる場所だし現実でも危ないので注意した方がいいという教訓面でも良いゲーム(?)


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