「逃げる方が、絶対に後からしんどい。」

ここ数か月、毎日のように見ているアニメがあります。高校バレー漫画の名作、「ハイキュー」です。少年ジャンプで連載中の高校バレー漫画で、アニメシリーズも現在シーズン4まで放送されている人気作品。

冒頭の言葉は、「ハイキュー!」のキャラクター、縁下 力(えんのした ちから)の言葉です。

彼は主人公でもなく決して目立つキャラクターではないが、冒頭の彼の言葉が私の心に深く刺さったので、紹介したいと思います。

部活をサボった縁下

高校に入学し、バレー部に入部した縁下。厳しい練習に耐えられず部活を休んでしまいます。仮病をつかって。彼は中学からバレーを続けていましたが、練習を休んだのはこれが初めて。監督のシゴキがきつく、耐えられなかったんですね・・・

真夏の放課後、いつもは体育館で汗を流しているはずの時間に帰宅し、クーラーをつけ、「クーラー最高!」と嬉しそうな様子の縁下。クーラーの効いた部屋でアイスを食べながら漫画を読むというなんとも穏やかな時間が流れます。厳しい練習もない、怒られない、自分は自由を手にしたんだ、と感じます。

次の日も、その次の日も部活をサボって帰宅し、同じような時間を過ごす縁下。教室には部活の仲間が迎えに(練習に引きずりに)来ますが、かたくなに断り、家の部屋で過ごします。初日には嬉しそうだった彼の様子が、だんだんと変化していきます。そして、ふと自分の前腕に目をやると、厳しい練習の風景が頭をよぎります。チームのエースの強烈なスパイクを上げたときのチームメンバーのどよめき。監督の驚いたような嬉しそうな表情。誇らし気にガッツポーズを決めた、この腕。今、同じこの腕が、冷房の効いた部屋でアイスのスプーンを握っている現実に、彼は気が付きます。そして、自分はあの場所から逃げてしまったという事実に、打ちのめされます。

部活に戻る決意

翌日、彼は部活に戻る決意をします。制服のまま、部活が始まっている体育館に行き、「もう一度、練習させてください!」と言う彼。あの厳しい環境に戻ることに決めたのでした。

逃げる方が、しんどかった

彼と同じころ、部活をサボったメンバーはほかに4人いました。そのうちの2人は彼と同じように部活に戻り、残りの2人はそのまま部活を辞めてしまいました。ただ、辞めた2人はそれはそれで楽しそうにしていたとのこと。縁下にとっては、逃げる方がしんどかったから部活に戻った、どっちが正解とかは、ないだろうと言います。

何かを続けることの、根底にあるもの

辞めるのも辞めないのも、どっちが正解とかはないという彼の言葉に、私は救われる気持ちになりました。何かを「続ける」ということが常にかっこよく、凄くて、優れている。そんな決めつけのような感情が私にもあったように感じました。ここで戻った縁下が偉くて、ここに描かれなかった辞めていった2人が根性なしだったのか?私は違うと思います。

そして、もうひとつ縁下が私にくれた勇気は、何かを「続ける」ということの根底にあるものは、様々なのだということ。好きで好きでしょうがないから続ける!というパワーもあれば、一度そこから(彼の言葉を借りれば)「逃げ」たからこそ「逃げる方が、絶対に後からしんどい」ということを知っているという強さもあるのだということ。

なにかを続けるのに、ずっとそれを好きでい続ける必要は必ずしもない。いろんな強さがあるし、なにが正解でなにが間違っているということはない。

私みたいな根性なしの背中を押してくれる、縁下くんのエピソードでした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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