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正しさには流行りがある。流行りに振り回されない心づくりとは。

これは、漫画の「ここは今から倫理です。」にて描かれていた言葉なのだけど、この言葉は長年私の心のつっかえになっていたものを解放してくれた。

そう、正しさには流行りがある。20年前に正しいと信じていたことが今は悪になっていたりする。24時間戦えますかのCMは今じゃ流せないし、水分補給をしない部活はパワハラだ。
私が子供の頃にみたアニメの歌詞
「この世はわからないことがたくさんある
どんな風が吹いても負けない人になろう
それでも弱いやつ必ずいるもんだ、
守ってあげましょうそれが強さなんだ」
とても好きな歌だったけど、今は違和感を感じたりする。
そもそも今の歌は「弱くて当たり前、強くなくてもいい」が主流だ。

アップデートが叫ばれる世の中で、果たして本当に自分が思春期に強く信じていた価値観がそう簡単に変わったりすることが出来るだろうか?
目の前のことに一生懸命で、アップデート?なにそれ?え、これがハラスメント??ってあたふたしている年長者たちの気持ちはどうしたらいいのだろう。アップデートしないことが悪なのか?
私はたまたまアップデートの重要さを身に沁みたから勉強することも寄り添うことも理解し合うことにもアンテナを張ることができたけど、そんな機会がなかった人たちに「悪」のラベルを張るのはあんまりだよなあ、と感じていたりする。
恐らくハラスメント対策みたいなものは会社などでもどんどん取り入れられているのだろうけど、そのほとんどが「●●はダメ、してはいけない」という価値観のインストールなのではないだろうか?
でも本質的には私は心が納得しない事のインストールは殆ど意味がないと思っていて。「知識として知ってる」に過ぎないと思っていて。
本当に心に理解することは、やはりその人自身の価値観とのすり合わせを丁寧にして納得を作っていく必要があるのだと思う。

少し話変わって、世界で一番読まれていると言われる「7つの習慣」の中に、「原則」という言葉が出てくる。これは、自身の根っこであり、信条であり、変わらないものであるというのだけど、それがなんなのかというのは明記されていない。ただ、「原則」に従って動くのだという。それはこの世の理のような宙にふわふわしているつかみどころのないものではなく、しっかり握れる自分自身が心から信じれるものなのだと思っている。

そんなわけで私は自分の心と対話するわけだけど、どうにも私の信条みたいなものが最近ぐらついているようだった。それはアップデートによって大事だなと心が思いながらももうひとつ大切だと心が叫ぶものがある。この対極にあるものたちをどう処理したらいいのか…
例えばそれは
「否定しないこと」
でも企画をブラッシュアップするには再考察や再検討は必須であり、その過程で既出の意見を覆すことにより否定されていると感じてしまうことがあるかもしれない。そんなことを怖がって、これもいいよね、でもね、って尊重するという名のはっきり意見を言えない現象や決断ができないことが増えていると思っている。これは実際学生をみていて(今年だけでも60校1200人ほどファシリテーターとして関わる中で)10年前より優しくて思いやりがあるけど正直パフォーマンスは下がってると実感している。
これを聞いて皆さんはどんな風に感じるだろう?
優しくて思いやりがあっていいじゃないか
傷つけない世界の方がいい
という一方で
思っていることがはっきりと言えない
ゴールに到達できないまたは物凄く時間がかかる
これはうまく両立できないものか。

そこで先ほど紹介した7つの習慣の「原則」というものに目を向ける必要がある。時代に振り回されず、常に信じられるもの、大切にしたいこと。
例えば
「相互理解」
これは時代に関係なく必要なことだと私は考える。
お互いを理解することが先立てば、多少の力強い言葉にも真意を汲み取ることで無暗に傷つくことなく受け取ることが出来る。

「自分の心に正直であること」
これも私はそんな原則のひとつだと思う。そもそも正直でない心は他人の意見によって流され変わりすぎてしまう。すると相互理解をする時点で、相手の言いたいことが見えなくなりそもそも信用することも理解することも難しくなるだろう。

今あげたふたつはあくまで私の主観で世界の正しさではないけれど、常に本質をみることでアップデートが追い付いていなかったとしても対応できるのではないかと考えている。

そして手前味噌だが、表現というのも、時代に流されない本質を説いているものだと私は思う。先日30年ほど前の表現ワークショップの論文を読んだ。そこに古さはなく、むしろ今すぐにやってみたいアイディアに溢れていた。そこで私は確信した。演劇は役に立つし、全人類に一度は体験して欲しいなということを。

先日はじめた「演劇のセカンドキャリアを考えるチーム」も、めちゃくちゃ面白いことになっています。メンバー数現在18人。そのうち第二次募集もすると思うのでどうぞ見ていてね。演劇人による革命を目撃してください。



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